松山 米ツアー自己最高3位 3連続バーディーで初戦締め

[ 2013年10月15日 06:00 ]

8番、豪快にティーショットを放つ松山

USPGAツアー フライズコム・オープン最終日

(10月13日 米カリフォルニア州サンマルティン コルデバレーGC=7368ヤード、パー71)
 13~14シーズン開幕戦で、松山英樹(21=東北福祉大)が米ツアー自己最高の3位に入った。序盤からバーディーラッシュで最後は3連続バーディー締め。66で通算14アンダー、270とし、ルーキーイヤー初戦で“サンデー・ヒデキ”の本領を発揮した。7位で出た石川遼(22=CASIO)はパットに苦しみ2バーディー、3ボギーの72で通算9アンダーの21位。ジミー・ウォーカー(34=米国)が通算17アンダーで初優勝した。

 “サンデー・ヒデキ”の本領を発揮した。圧巻は最終18番だ。まずティーショットで338ヤードのビッグドライブ。残り100ヤード、右ラフからの2打目はSWを振り抜くと、グリーン手前の花道に落ちたボールは傾斜をつたってピンに向かっていった。ギャラリーの大歓声の後押しも受けたボールはカップをかすめて60センチ先に止まる。難なくバーディーを奪った。

 16番パー3でも60センチにつけ、358ヤードの17番パー4は1オンに成功し2パット。怒とうの3連続バーディーで初戦を締めくくった。「9アンダーを出せば勝てるチャンスが高まると思っていた。7番まではいい感じでその数字に近づけた。最後はいい形で収穫でした」。狙っていたのは優勝。堂々の3位デビューは満足感とともに少しばかり悔しさも同居した。

 6打差を追った最終日は粋なやりとりで始まった。朝の練習場。石川と顔を合わせると右手のひらでパチンとタッチし、返す刀でグータッチ。今週から始まった“チーム・ジャパン”の儀式だ。7番までに4バーディーを奪った後は2つ落とすも最後のまくりで今年の全英オープン6位を超える米ツアー自己最高位。ライバルの存在も力に変えた。

 前週のプレジデンツ・カップはサスペンデッド続きで進行が遅れた。試合翌日には12時間の移動。「大変だった」という嘆きが物語るように、同大会から参戦した3選手のうち、カブレラ、リーシュマンは予選落ち。活躍したのは松山だけだった。調整方法について金田相範トレーナーは「(イベント続きで)先週できなかった分、今週はトレーニング、ランニングを多めにしました。体に適度な張りを感じていた方がいいタイプです」と語った。鍛えながら戦うのが本来の松山の調整法。昨季米ツアーの最終日の平均スコア2位(68・33、1位はワトキンス67・67)になった日曜日に強い本領を発揮した。

 「今週のようなアイアンがずっと打てれば、そこそこはいけるかなと思いますが、ショートゲーム、1Wの精度はまだまだ」。手応えと課題は見えた。勝利の2文字へ確実に前進している。 

 ≪得意の追い上げ≫松山は日米両ツアーで最終日に好スコアを残している。日本ツアーの最終ラウンドの平均スコアは全体2位の69・22(1位は川村昌弘の68・83)。2位以下で迎える最終日に限定するとさらに調子を上げて67・33の好数字だ。首位で迎えた場合は73・0と悪く、追い上げる展開を得意としていることが分かる。昨季の米ツアーも全体2位が示すように最終日に勝負強さを見せている。また、今季からこれまでの1月から秋開幕に移行したが、松山は初戦で3位に入り24万ドル(約2350万円)を獲得。昨季の178位に相当する額を1試合で稼いだ。

 ≪世界回り国内戦へ≫松山は今週はシュライナーズホスピタル・オープン(米ネバダ州ラスベガス)に出場。その翌週はマレーシアでのCIMBクラシック、中国での世界ゴルフ選手権シリーズ、HSBC選手権に出場する。その後は賞金王がかかっている国内ツアーに復帰するプランを立てている。

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