康生ニッポン“リオの星”1号 大野、内股さく裂初V

[ 2012年11月11日 06:00 ]

土井に内股で一本勝ちを決める大野

柔道 講道館杯全日本体重別選手権第1日

(11月10日 千葉ポートアリーナ)
 男女7階級が行われ、男子73キロ級では大野将平(20=天理大3年)が5戦中3戦で内股をさく裂させた一本で初優勝。就任後、初の大会視察となった井上康生・全日本男子監督(34)が、最初の“リオの星”に指名した。同60キロ級は木戸慎二(22=日体大4年)が初V。女子78キロ級は両膝の手術を乗り越えた佐藤瑠香(20=コマツ)が連覇を達成した。

 康生ニッポンの船出に輝きを放ったのは、丸刈り頭の20歳、大野だった。初日を視察した井上監督は「自分の最高の状態だけじゃなく、最低でも勝てる準備をしているかを求めたい」と選手への注文をつけた上で「きょうは大野が“簡単にはいかないと思っていた”と言っていた。これまでは能力だけで戦ってきたけど、細かい準備までできていると思った」と名指しで高評価を与えた。

 不思議な“縁”を感じる勝ち上がりだった。大野の一本勝ち3試合は全て、井上監督が得意としていた内股でのもの。今年度いっぱいで歴史にピリオドを打つ柔道私塾・講道学舎から世田谷学園高に進学し活動していた最後の世代でもある。5月のロンドン五輪最終選考会で決勝まで進み、本番で銀メダルを獲得した中矢力(ALSOK)に善戦した能力は本物だ。

 「自分の柔道をさせてもらえなくても、最後まで我慢できたのが良かった」と大野。シニアのタイトルを初めて獲得した新星の登場に、井上監督は「短期、中期、長期の戦いを見据えて、構想が描けてきた部分もある」と手応えを口にした。

 ◆大野 将平(おおの・しょうへい)1992年(平4)2月3日、山口県出身の20歳。ロンドン五輪100キロ超級代表の上川大樹と同じ松美柔道スポーツ少年団で柔道を始め、中学から講道学舎に柔道留学。世田谷学園高1年時にインターハイ優勝。昨年は世界ジュニアを制した。1メートル70。得意技は大外刈りだが「内股も得意の一つ」。

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