マスターズ2度目の特別招待決定…遼“実力証明する”

[ 2012年3月8日 06:00 ]

13番で右脇にグローブをはさんでティーショットを打つ石川遼

 マスターズの主催者は6日、石川遼(20=パナソニック)が特別招待選手として今年の大会(4月5~8日、米ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC)に出場すると発表した。石川は初出場だった09年以来2度目の特別招待となる。8日に開幕する米ツアーのプエルトリコ・オープンに出場する石川は朗報を受けて、4年連続4度目の出場となる大会への意気込みを示した。

 喜び浮かれるだけではなかった。マスターズ出場権獲得のために必死になっていた最中のグッドニュース。にもかかわらず、石川の表情はむしろ引き締まった。

 「特別推薦の枠だけじゃなくて、同時にもう一つの枠もクリアして、ぜひマスターズ委員会の皆さんにお会いしたい」

 当初の目標は再来週のアーノルド・パーマー招待終了後に世界ランク50位以内に入り、出場権を獲得することだった。昨年末の世界ランクでは51位とあと一歩で出場権が得られず、現在も50位の手前で足踏みしている。今回の招待が妥当であると証明するためにも目標を変えるつもりはない。

 石川にとって特別招待は初出場の09年以来2度目になる。オーガスタ・ナショナルGCのビリー・ペイン会長は「大会を世界規模のものにするため」「石川の出場が日本だけでなく、アジアでの関心の高まりにつながる」と理由を説明。アジア以外で特別招待を受けたのは、過去10年間で02年のG・ノーマンだけで、大会側のアジア市場重視の姿勢も背景にある。

 実力に影響力を加味した“存在感”が評価されての出場。周囲の目は厳しくなり、惨敗すれば疑問の声が上がってもおかしくない。石川は「日本の選手は英樹(松山)しか決まってなかった。そういったことを考えると、アジアへの注目と日本に対する激励の意味もあると思う。ぜひ結果を残したい」と決意を語った。

 20歳でのマスターズ制覇という小学生時代に描いた夢。形はどうあれ、そのスタート地点には立った。「別に誰が何を言おうと僕は気にしてない。そんなの無理、不可能と言われても、遼くんならできると言われても気にしない。僕はまだ6年生の時の自分を信じている」。夢の答えは4週間後のオーガスタで明らかになる。

 【遼のマスターズ】

 ☆09年 プロ初年度の前年に日本ツアー賞金ランク5位となったことが評価され、今回と同じように「若い世代やアジアにおけるゴルフへの関心も高めてくれるはず」と期待されて特別招待。結果は73位で予選落ち。

 ☆10年 2度目の出場は初日パープレーで32位とまずまずのスタートを切った。ところが、予選通過を意識した2日目の後半に40と崩れ、最終ホールのボギーで1打及ばずに予選落ちとなった。

 ☆11年 初日は初のアンダーパーで24位。2日目もスコアを伸ばして初の予選突破を果たす。決勝ラウンドは上位争いできずに20位終戦。翌年の出場権が得られる16位以内に1打届かなかった。

続きを表示

2012年3月8日のニュース