サボリの吉村を変えた震災「感謝しながらプレー」で急成長

[ 2012年1月23日 08:27 ]

<卓球全日本選手権 男子シングルス>優勝の瞬間、ガッツポーズして喜ぶ吉村(右は肩を落とす水谷)

卓球全日本選手権最終日

(1月22日 東京体育館)
 男子シングルス決勝で世界ランク103位の吉村真晴(まはる)(18=野田学園高)が、同9位で6連覇を目指した水谷隼(22=明大)を4―3で撃破し、水谷以来史上2人目の高校生日本一となった。吉村は3月の世界選手権団体戦(ドイツ・ドルトムント)の代表に決定し、ロンドン五輪代表争いにも名乗りを上げた。

 7歳で競技を始め、小学6年時に橋津監督にスカウトされ、実家の茨城・東海村を離れて宮城の強豪・秀光中教校へ。中学2年で同中の卓球部への強化方針が変わったことで、監督とともに野田学園中に転校した。

 練習をさぼり、結果を出せない日々が続いたが、昨年3月の東日本大震災が少年を変えた。生まれ育った茨城、中学時代を過ごした宮城が被災。「卓球してていいのかって思った。感謝しながらプレーしようと思った」。昨年7月のアジアジュニア選手権で中国人選手を破って優勝するなど、今季は急成長を遂げた。

 ◆吉村 真晴(よしむら・まはる)1993年(平5)8月3日、茨城県東海村生まれの18歳。10、11年高校総体男子ダブルス優勝、11年アジアジュニア選手権優勝、世界ジュニア選手権ベスト4。家族は父・弘義さん、フィリピン出身の母・リリベスさん、卓球選手の弟・和宏(中学3年)、友斗(中学2年)。1メートル78、61キロ。右利き。

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