白鵬 やるぞ雲竜型!双葉山生誕地で異例の披露

[ 2011年10月5日 06:00 ]

アーチェリーのポーズをする白鵬

 大相撲の秋場所で20回目の優勝を果たした横綱・白鵬(26=宮城野部屋)が4日、九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)に向けて稽古を再開し、軽めの調整で汗を流した。稽古後には12月に訪問する双葉山の生誕地・大分県宇佐市で行う横綱土俵入りについての心境を吐露。自らの型の「不知火型」ではなく、尊敬する双葉山の「雲竜型」を行いたい意向を示した。

 「不知火型」の白鵬が双葉山の「雲竜型」に挑戦する。白鵬は九州場所後の12月4日に「双葉山生誕100年記念イベント」の一環として、双葉山の生誕地である大分県宇佐市内の国宝・宇佐神宮で奉納土俵入りを行うが、この日の稽古後に「雲竜型でやってみたい」と明かした。宇佐神宮での土俵入りは1938年の双葉山以来、73年ぶり。昭和初期に不滅の69連勝を成し遂げるなど相撲道の奥義を追求した第35代横綱に敬意を示すため、現代に生きる第69代横綱は土俵入りで双葉山の姿を投影させようと考えている。

 2つの型の違いは、横綱土俵入りの最大の見せ場である“せり上がり”だ。両腕を左右に伸ばして積極的な攻めを表現する不知火型に対し、雲竜型は右手を伸ばしながら左手を脇腹に当て、攻めと守りの両方を表現。最近は一門の意向なども反映されるため、白鵬は所属の宮城野部屋を再興した第43代横綱・吉葉山にならって不知火型を選んでいる。

 もし白鵬が2つの型の土俵入りを経験することになれば、70年代前半に玉の海とともに一時代を築いた第52代横綱・北の富士以来、史上2人目となる。雲竜型の北の富士が不知火型を披露したのは71年8月の秋田・八郎潟巡業でのこと。その時は北海道方面の北の富士班と、中部・東北方面の玉の海班に分かれて巡業が行われており、不知火型の玉の海が急病で帰京。既に巡業を打ち上げていた北の富士が、秋田に駆けつけ、不知火型を披露した。

 今後、協会幹部の了承を得られるかどうかにもよるが、宇佐市関係者は「協会には習わしがあるでしょうが、白鵬関は双葉山関を尊敬されてますからね」と白鵬の雲竜型を歓迎した。 

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2011年10月5日のニュース