日馬富士、痛恨1敗…綱獲り2日目で早くも窮地

[ 2011年9月13日 06:00 ]

隠岐の海に突き落としで敗れ、ぼう然とする日馬富士(下)

大相撲秋場所2日目

(9月12日 東京・両国国技館)
 綱獲りに挑む日馬富士が早くも窮地に立たされた。平幕・隠岐の海を一方的に攻め立てながら土俵際の突き落としを受け逆転負け。昇進にはハイレベルの優勝を求められており、もう1敗も許されない状況となった。大関を狙う鶴竜も平幕・若の里に送り出されて初黒星。2日目も上位は波乱が続いた。

 痛恨の逆転負けに日馬富士は、俵の上で座り込んだまま唇をかんだ。取組後の一礼を終えるまで、物言いの挙手を探すかのように、土俵下の審判一人一人に目を向けた。花道を引き揚げる際も首をかしげ、なかなか敗戦を受け入れられなかった。支度部屋では「もったいないか?」の問いに「聞くまでもないですよ」と悔しさをにじませた。

 鋭い立ち合いから右のど輪で隠岐の海を押し込んだ。逆転勝ちした初日の豊ノ島戦とは正反対の攻勢。左を差し、右上手を取って寄る。しかし体が伸び切り、相手の右からの突き落としを受け横向きに崩れ落ちた。「焦りというか、押している勢いで、そのまま出てしまった」。倒れ込む寸前に右手で相手の左足を取りにいき、顔面から落ちて右頬を擦りむく執念も実らなかった。

 序盤で平幕に喫した1敗はかなりの痛手だ。横綱審議委員会は昇進の条件として14勝以上のハイレベルな優勝を求めている。「(敗れた相手が)三役じゃなく平幕だから、イメージが良くない。これから全勝しないと厳しいかな」と鶴田卓彦委員長。放駒理事長(元大関・魁傑)も「気持ちが入りすぎかな」と攻め急いだ内容を惜しみ「まだ2日目で昇進にどう(影響する)とは言えないが、痛い1敗」と話した。

 綱獲り初挑戦となった09年名古屋場所では、序盤の3日目に敗れて失速した。今回も嫌なムードが漂うが「まだ始まったばかり。気持ちを切り替えて“一日一番”の気持ちでいきたい」。自らに言い聞かせるように決意を示した。

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2011年9月13日のニュース