白鵬、7連勝!ライバル不在に異例の“提言”

[ 2011年7月17日 06:00 ]

若荒雄(右)をはたきこみで破る白鵬

大相撲名古屋場所7日目

(7月16日 愛知県体育館)
 単独1位となる8連覇を狙う白鵬は、若荒雄をはたき込んで7連勝を飾り、日馬富士とともに全勝を守った。この日の朝稽古後には、大相撲の将来を考え横綱昇進条件の緩和を提案。朝青龍が引退して昨年春場所から一人横綱となり、“ライバル不在”の現状に物足りなさと危機感を抱き、異例の“提言”に至ったようだ。

 白鵬は初顔の若荒雄の突っ張り、いなしにも慌てることなく冷静に対応し、最後はタイミングよくはたいて仕留めた。

 「ちゃんと見ながらさばいたという感じ。(若荒雄は)初めての横綱大関戦。しっかりと受けて、いい相撲を取るという気持ちで臨みました」。8連覇に向け日馬富士と全勝で並んでいるが、支度部屋ではその存在は眼中にないと言わんばかりに落ち着き払っている。

 この日の朝稽古後には横綱昇進の基準について「緩めた方がいいと思う」と自説をぶち上げた。昇進のノルマは「2場所連続優勝かそれに準ずる成績」。しかし、かつては横綱にふさわしい力量があると横綱審議委員会(横審)に判断されれば推挙されていた。それが87年に第60代横綱・双羽黒が優勝0回のまま廃業に追い込まれたことを機に一気に難化。90年秋場所に昇進した第63代の旭富士からは「2場所連続優勝」が絶対条件となった。

 しかし現状は、朝青龍の引退後の昨年春場所から5月の技量審査場所まで白鵬の7連覇。自らが強すぎるために、今のままの“基準”では次に横綱になる者が出てこなくなる。現役横綱が場所中にこうした発言をするのは極めて異例だが、横綱昇進を諮問する横審の沢村田之助委員(歌舞伎俳優)は「私は2場所連続が条件だと思っています。そもそも横綱になれるような大関がいませんよ」と話した。

 以前から白鵬はライバル不在の現状に「もう一人の横綱が早く生まれてほしい」と繰り返し発言してきた。異例の“提言”は自らの力が突出しているという自信の裏返しでもあるが、元気のない大関以下の奮起を促す叱咤(しった)でもある。

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2011年7月17日のニュース