有村、自滅…今季初Vも全英切符もスルリ

[ 2011年6月13日 06:00 ]

優勝したアン・ソンジュ(右)を笑顔で祝福する有村

 女子ゴルフツアーのサントリー・レディース最終日は12日、兵庫県神戸市の六甲国際ゴルフ倶楽部(6499ヤード、パー72)で行われ、首位から出た有村智恵(23=日本ヒューレット・パッカード)が今季初優勝と、全英女子オープン出場権をダブルで逃した。一時は単独首位に立ったが、首位に並んで迎えた最終18番でボギーを叩いて自滅。通算13アンダーで1打及ばず2位に終わった。18番をパーで切り抜けたアン・ソンジュ(23=韓国)が通算14アンダーで今季2勝目を挙げた。横峯さくら(25=エプソン)は6連続バーディーを含む猛チャージで9位に入った。

 涙はなかった。最後の最後で敗れた有村は、すがすがしい表情を浮かべながらアン・ソンジュのほおに手を添えて祝福した。

 「もうちょっとお互い戦いたかったね。本当にいい戦いだったよ」

 同い年で普段から仲の良い2人は、ラウンド途中に勝った方が食事をおごる約束までしていた。有村はごちそうを口にできるが、優勝とメジャー出場権という大きな獲物を逃す結果となった。

 痛恨のボギーは最終18番パー4で出た。ティーショットを右ラフに曲げ、ピンまで194ヤードの第2打はユーティリティーでグリーンを狙ったが、手前のバンカーへ。アプローチもグリーン奥のカラーまで転がり、そこから入らずのボギー。9番で単独首位に立ちながら、その後にバーディーを奪えず勝機を逸した上に「最後はティーショットもセカンドもミスしてしまった」と勝負どころで連続ミス。ティーショットを同じく左に曲げながら2オンに成功したアン・ソンジュと明暗を分けた。

 一昨年、一気に5勝も挙げて女王争いに加わり女子ゴルフ界を盛り上げた。昨年は初の韓国人賞金女王となったアン・ソンジュに代表される韓国人パワーに危機感を抱きながらも、1勝止まり。今年も、日本のトッププロとしての責任感は変わらないが「韓国人選手が最後に粘るのはさすがだけど、そのおかげで私たちもレベルアップしている」と8カ月ぶりの最終日最終組で死闘を繰り広げ、韓国勢と張り合う自信は出てきた。

 「この緊張感を忘れないうちに上位でプレーしたい。来週が(渡米前)最後の試合なのでしっかり頑張りたい」。次戦のニチレイレディースに出場後は全米女子プロ選手権(23日開幕、ニューヨーク州)に挑戦する。もちろん、狙うは海外メジャーに弾みをつける今季初勝利だ。

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