五輪代表で主婦で予備自衛官 「被災地で活動を」派遣要請待つ

[ 2011年3月17日 15:39 ]

 来年のロンドン五輪代表に決まっている射撃女子25メートルピストルの森ゆかり選手(32)=埼玉県協会=が、予備自衛官として東日本大震災の被災地への派遣要請を静かに待っている。17日現在、主婦の森選手に要請はない。「被災地に行って活動したい。やれることがあれば何でも」と話した。

 自衛隊で競技を始め、2004年アテネ五輪に出場。結婚を機に09年に退官した。「いろんな訓練を受けてきたので、何かあったときに現場に行って、一つでもできることがあれば」と、競技のかたわら年間5日間の訓練を受け、有事に備える予備自衛官に登録した。

 自衛隊所属のスポーツ選手の多くは体育学校に籍を置き、人手が足りなくなる駐屯地の警備などの後方支援が任務の中心となる。予備自衛官は現地派遣の優先度が高いという。

 15日には、埼玉県在住で被災地に取り残された知人を迎えに宮城県大崎市まで車で出向き、余ったガソリンを現地の人に分けてきた。競技に打ち込む心境ではない。21日からシドニーで行われるワールドカップ(W杯)の出場を辞退した。「寒くてつらい思いをしている人がたくさんいる中で、暖かい家でテレビを見ていると悲しくて眠れない」と話した。

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2011年3月17日のニュース