小塚、ミス連発も日本一!男子初の父子制覇! 

[ 2010年12月26日 06:00 ]

華麗な演技で男子優勝を飾った小塚

 【フィギュア全日本選手権・男子フリー】SP首位の小塚崇彦(21=トヨタ自動車)がフリーも1位の164・02点をマークし、合計251・93点で初優勝した。父・嗣彦さん(64)も66~68年大会に3連覇しており、男子の父子制覇は史上初の快挙。SP3位の織田信成(23=関大)は2位、SP4位の高橋大輔(24=関大大学院)は3位だった。世界選手権(来年3月、東京)男子代表3選手は26日、発表されるが、表彰台に上った3人が選ばれることが決定的となった。

 勝者にふさわしくないしぐさが全てを物語っていた。SP首位の小塚は、フリーでミスを連発しながら初優勝。男子では史上初の父子制覇を達成した。それでも、演技終了後は目を閉じてうなだれ「4回転も跳べないし、後半は歩いてるみたいだった。ホントに最低限の演技」と振り返った。父・嗣彦さんが喜んでいることを伝え聞いて「ちょっと親バカ入ってるかな」とようやく笑った。
 冒頭の4回転トーループで派手に転倒すると、最後のジャンプとなった3回転サルコーでも再び氷にはいつくばった。ジャンプは安定感を欠いたが、表現力でカバーした。今季から心がけているのは、ジャッジの目を見て演技すること。「ジャッジの人と話す機会があって、目が合って会話するようにしたら点をあげたくなるって言われた。今季は目が合うようになってきた」。5項目の演技点で、世界屈指の表現力を持つ高橋に次ぐハイスコアを並べたことが、優勝につながった。
 「まずはこれを目指してやってきた」と言う日本一の座を手中に収め、世界選手権代表に選ばれることが決定的になった。過去の世界大会は世界選手権が8位、6位、10位。バンクーバー五輪が8位。「来年はもう一段階、上っていけるように頑張りたい。気を抜かずにしっかり前を向いてやっていきたい」。自身初となる世界の表彰台を目指して、21歳の新王者が歩みを進める。

 ▼日本スケート連盟伊東秀仁フィギュア委員長 小塚は21歳と若い。底上げされて、男子は力が拮抗(きっこう)してきた。(フリーで上位3人とも)4回転に失敗したが、世界では必要。次は決めてほしい。

 ≪小塚父も悲願達成に「感無量」≫小塚の父・嗣彦さんは母・幸子さん(55)とともに会場で見守った。嗣彦さんは表彰式後に小塚とガッチリ握手。「おめでとう。良かったな」と声を掛けた。男子初の父子制覇には「悲願でしたからね。獲らせてやりたい気持ちがあった。五輪に出たり世界選手権に出たりするのも大事だけど、タイトルを獲るのも大事なこと。感無量です。何よりのクリスマスプレゼントになりました」と笑みを浮かべていた。

 ≪女子では過去に1例≫79回目の開催となる全日本選手権で、親子2代の優勝は過去に1例だけある。小塚のコーチを務める佐藤信夫氏は1950年代から60年代にかけて男子で10連覇し、妻の久美子さん(旧姓大川)も女子で2度優勝。2人の娘で現在はコーチとしても活躍する94年世界選手権女王の有香さんは、93、94年に全日本を2連覇した。

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2010年12月26日のニュース