“ノーモア朝青龍”外国人力士「1部屋1人」徹底

[ 2010年2月24日 06:00 ]

 日本相撲協会は23日、東京・両国国技館で理事会を開き、1部屋1人の「外国人枠」を「外国出身力士枠」に切り替えることを決めた。02年に申し合わせ事項として「1部屋1人」の外国人力士枠を設けたが、日本国籍取得後に同じ部屋に新たな外国人力士が入門するケースが増えてきたため、是正に乗り出した。暴行騒動で引退した元横綱・朝青龍ら外国人力士の不祥事が続いていることもあり、外国人の入門を制限することになった。

 朝青龍騒動が外国人の入門希望者の門戸を狭めさせた。武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)はこの日の理事会で、「1部屋1人」としていた外国力士人枠の申し合わせ事項を「外国出身力士枠」に切り替えることを提案。出席者の賛同を得て、直後に行われた臨時師匠会で各師匠に通達した。

 春場所(3月14日初日、大阪府立体育会館)の新弟子検査までは従来通りだが、以後は採用規制の申し合わせを徹底させる。その変更の意図を陸奥広報部長(元大関・霧島)は「若い親方が増えていることもあり、再確認した」と説明した。

 相撲協会では02年の理事会で外国人力士枠を1部屋につき1人に制限することを申し合わせていた。ところが、最近は在籍する外国人力士が日本国籍を取得した後の空いた枠に、新たな外国人力士を入門させる“裏技”を使う部屋も出てきた。

 昨年4月以降、日本国籍を得た外国人力士は6人。立浪部屋では昨年12月にモンゴル出身力士2人が日本国籍を取得し、直後の今年初場所で新たなモンゴル人力士が入門。角界最多3人の外国出身力士が在籍するようになった。こうした現状に親方衆からは「(外国人力士)枠が意味をなさない」との声も出ていた。

 もっとも、この時期に協会が“規制強化”に動いたのは元横綱・朝青龍をはじめとする外国人力士の相次ぐ不祥事が影響したことは明白。外国人力士の数は初場所時点で57人にまで増えており、安易に関取を育てようとする親方にクギを差す狙いもある。ただ、モンゴルや欧州では入門希望者が多数控えているため、今回の措置が関係者から閉鎖的と指摘され、新たな問題を引き起こす可能性もある。

 ◆外国人力士の採用 92年夏場所以降自粛されていたが、98年から解禁。当初は師匠会の申し合わせで1部屋2人(全体で40人)までとしていた。その後モンゴルを中心に入門者が増加したため、02年2月の理事会では1部屋1人に限ると申し合わせた。

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