肉体改造Ｖ！「初老」藤田が逆転Ｖ

　【セガサミー・カップ最終日】いつも控えめな藤田が珍しく派手なガッツポーズを見せた。最終１８番の２・５メートルのバーディーパット。緊張で手を震わせながらもねじ込むと、思わず感情が表に出た。

　単独首位でホールアウトすると「見ていられなくなった」と最終組のプレーに背を向けて練習場へ。プレーオフに備えパット練習をしている時に、今季初優勝の知らせが届いた。「初老って４０歳を指す言葉らしいけどね。こういう戦いで最後に一歩抜け出せたのは凄いことだよ」。まじめな九州男児が少しだけ誇らしげに喜んだ。
　今年６月に４０歳となったが向上心はますます旺盛だ。「流れは遼くんに代表されるパワーゴルフに転換している。飛ばす若い人に技術で補うのは限度がある。ならば排気量をアップしよう」と昨オフに約１００万円をかけてトレーニングマシンを購入し、所属するゴルフ場の倉庫に設置。上半身を中心に鍛え、体重は６３キロから７０キロに増加し、飛距離も約５ヤード伸びた。
　３打差から出たこの日も「ショットがびしびしきていた」と６バーディー、ノーボギーのラウンドで混戦を制した。「賞金王って器じゃないので、まずは年間２勝、３勝を目指したい」。不惑ならではの実力をこれからも発揮していく。