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森保ジャパン「三笘システム」構築へ“世代交代” 麻也、長友ら選外でDFライン再編成

[ 2023年3月16日 04:45 ]

フォトセッションでポーズをとる森保監督(右)と山本ナショナルチームダイレクター(撮影・西海健太郎)
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 日本サッカー協会は15日、第2次森保ジャパン始動となる親善試合ウルグアイ戦(24日、国立)と、コロンビア戦(28日、ヨドコウ)に臨む日本代表26選手を発表した。DF吉田麻也(34=シャルケ)らベテラン勢の招集を見送り、W杯カタール大会の平均年齢27・77歳からW杯直後の初陣では最も若い24・46歳へ一気に若返った。世界一という「最高の景色」を目指す森保監督が攻撃の質を上げ、MF三笘薫(25=ブライトン)の能力を100%生かすために断行したDF陣の新陳代謝。カタール大会を取材した河西崇記者が指揮官の意図を読み解く。

 W杯で主将を務めた吉田や、長く日本を支えた長友と酒井らベテラン勢の招集を見送ったことには正直驚いた。それと同時に、招集選手からはW杯で浮き彫りとなった課題の一つ、ビルドアップの克服と世界的なアタッカーを生かす「三笘システム」の構築をメインテーマにしているとも感じた。

 指揮官が語ったのはビルドアップの重要性だった。「カタールでは相手の嫌がるカウンターはできたと思うが、ボールを握ったときに相手が嫌がる攻撃のクオリティーを上げないといけないと思っている」とコンセプトを説明した。

 W杯ではドイツ、スペインに対抗するために用いた3バックからのカウンターが奏功した。ただ、守備では5バック気味となるため、三笘ら2列目の選手の重心も下がりがちとなった。そのため、DFラインから組み立てて前進していくという目指すサッカーに到達できず、決勝トーナメントではクロアチアのプレスに四苦八苦。守備でもDFラインの裏への対応やハイボールに苦戦し、結果的に史上初のベスト8という「新しい景色」は見られなかった。

 殻を破るために着手したのがDFの新陳代謝だ。冨安と板倉のセンターバック(CB)コンビは計算できるため、特に人材を集めたのがサイドバック(SB)。4バックを想定していると思われ、「3―4―2―1」の左ウイングバックを務めていた三笘のポジションを1列前に置き、攻撃機会を増やす「三笘システム」に特化するのが狙いだろう。

 森保監督がCBと左SBでの起用を示唆した左利きのDF角田は1メートル85とサイズもある上に、ビルドアップの能力が高い。筑波大の先輩にあたる三笘とのコンビネーションにも注目が集まる。

 今回招集を見送られたベテラン勢も今後の26年W杯アジア2次予選(11月)や来年1月開幕のアジア杯(カタール)での招集は十分に考えられる。ただ、タイトルの懸かった試合の直前でテストするのはリスクが高く、今回が新たな挑戦をする絶好の機会と捉えれば「計算できる」(森保監督)ベテランを見送ったのも理にかなっている。

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2023年3月16日のニュース