×

Eフランクフルト鎌田 新オプションのボランチで2発「取りたいゴールやっと取れた」

[ 2022年8月3日 04:30 ]

ドイツ杯1回戦   Eフランクフルト4―0マクデブルク ( 2022年8月1日    マクデブルク )

<マクデブルク・Eフランクフルト>前半、ゴールを決めチームメートから祝福されるEフランクフルトの鎌田(左)
Photo By 共同

 ドイツ杯は1日、各地で1回戦が行われ、1部アイントラハト・フランクフルトは2部マクデブルクに4―0で快勝した。今季公式戦初戦にボランチで先発出場したMF鎌田大地(25)が先制ゴールを含む2得点を決めてチームを勝利に導いた。EフランクフルトのDF長谷部誠(38)、マクデブルクのFW伊藤達哉(25)は後半途中から出場した。

 ボランチ鎌田が強烈なインパクトを残した。開始4分、左サイドを突破したMFコスティッチのクロスに合わせて走り込み、右足で先制ゴール。2―0の後半14分にはFWボレのバックパスをペナルティーエリア外から右足で強打し、右隅に蹴り込んだ。

 昨季はトップ下が定位置。その位置を得意とする元ドイツ代表MFゲッツェが加入した今季は1列下がったポジションを任されている。公式戦初戦は3―4―2―1のダブルボランチの一角で先発。肉弾戦でボールを奪い、ミスなくパスをつなぎ、好機にはゴール前に駆け上がり決定機をものにした。

 鎌田は「6番(ボランチ)だからこそ、あそこでシュートを打てた。6番をやることであそこに入っていける。取りたいゴールがやっと取れた」と納得の表情だった。新たな適性を示し、結果を残した鎌田を、地元ドイツのメディアも高評価。ビルト紙はチーム最高タイとなる2点をつけた。フランクフルター・ルントシャウ紙(電子版)は先制点を「絵本のようなゴール」と表現し「ボールをつなぐことにたけたボランチであり、2ゴールも決めた」と論評した。

 日本代表でもこれまでは攻撃的な2列目が主戦場だった。W杯予選では主に4―2―3―1のトップ下、6月の親善試合では4―3―3のインサイドハーフに入った。守備的MFとされるボランチもこなせば、選択肢は広がる。文字通りポリバレントな能力は、森保ジャパンにとってもプラス材料となりそうだ。

 《ボランチとは…チームのかじ取り、代表では遠藤ら》ポルトガル語で「ハンドル」を意味し、守備的MFを指す。DFラインの前、中盤の底に陣取り、相手の攻撃を阻止し、ボールを回収し、攻撃の起点となる、チームのかじ取り役を担う重要なポジションだ。

 中盤の底を1人でカバーし、より守備的な役割を担う場合は「アンカー」とも呼ばれる。日本代表が主に採用している4―3―3のシステムでは、遠藤が入ることが多い。また現役時代の森保監督はこのポジションでプレーしていた。2人が横に並ぶ場合は「ダブルボランチ」あるいは「ドイスボランチ」と呼ばれる。攻撃を得意とするタイプと、守備を得意とするタイプがコンビを組むこともあり、日本代表では遠藤、柴崎、守田らが務めてきた。

 94年W杯米国大会で優勝したブラジル代表は、攻撃を組み立てるドゥンガと守備的なマウロ・シルバが活躍。「ダブルボランチ」が脚光を浴び、世界の主流となった。日本に「ボランチ」という言葉が定着したのもその頃とされる。

続きを表示

この記事のフォト

2022年8月3日のニュース