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【森保ジャパン苦闘の2021年総括】五輪世代の積極起用で「世界」目指す土台づくりを

[ 2021年11月18日 05:30 ]

<日本・オマーン>後半、トラップする田中(撮影・小海途 良幹)
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 森保ジャパンはW杯アジア最終予選B組2位となって年内の活動を終えた。苦闘が続いた2021年。五輪サッカー担当記者がこの一年を総括した。

 今回は、三笘だった。16日のオマーン戦後半頭から投入されたドリブラーは、一人だけまとっている気迫が違って見えた。

 9月7日の中国戦では、久保だった。10月12日のオーストラリア戦では、田中だった。日本が最終予選で手にした4つの勝利。大半で、今夏の東京五輪代表が主役級の存在感を放っている。

 五輪でメダルを逃した直後、目に涙をためた何人もの選手から「次はA代表で」という言葉を聞いた。勝ち点3を意識するあまり、どこか慎重になりすぎているような戦いを見ていると彼らの旬な伸びと闘志をもっとパワーに変えられるのではと思ってしまう。

 五輪の最後のメキシコ戦では、全6戦に先発したOA枠の遠藤がらしからぬミスで失点に絡んだ。翌日の総括で、指揮官は先発6人を固定し続けた理由を「まだまだ次を見越してできるところではない。世界の中で勝っていくためには、一試合一試合をフルで戦いながら次に向かうことが現実的」と説明した。

 確かに21年夏時点での「世界」でなら。だが、「過程のアジア」でも似て見える。2敗が響き、悠長なチームづくりが難しいのは事実。それでも22年冬にW杯8強を本気で狙うのならば、先発の層を広げる試みは今しか、五輪世代だけで約90人もの原石を拾い上げた森保監督にしか、できない。

 既に主力の冨安、田中に加え、中山、旗手、板倉、前田、上田、堂安を、復帰すれば久保を、もっと見たい。若い世代の予測を超える突き上げを、もっと見たい。それが次こそ世界で勝つ土台になるのではないか。(五輪サッカー担当)

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