J2京都・中田監督 “葛藤と活性”で逆転昇格だ!
前日27日の新潟戦(デンカS)で敗れて5月5日の横浜C戦以降キープし続けてきたJ1昇格プレーオフ圏内から脱落したJ2京都の中田一三監督(46)が、逆転昇格へ向けて“葛藤と活性”を与えていく方針を示した。残り4試合で自動昇格圏内の2位・山形とは勝ち点5差。ギリギリの状況に追い込まれているが「1試合ごとに選手の状態をフラットに見て、対戦相手の特徴も考えて、30数人のチームとしてやっていく。ポゼッション率が30%でも、ロングボールばっかりの戦術でも受け入れて欲しい」と選手の入れ替えや戦術変更などを示唆した。
通常はシーズン序盤から戦術を固め、メンバーが固まっていく。シーズン終盤に“自分たちの型”がないことは不安要素でもある。だが最近10試合は3勝2分け5敗。急激な失速をしており、その要因を「クラブに確固たるものがない」からと分析した。
指揮官の持論としては「どんな選手が来てもクラブに風土や規律があるところは、それなりの結果が出る。安定的な結果を出すのはクラブの哲学、風土。それこそ積み上げがどれだけあるのか」というもので「それがサンガには不足している」。11年にJ2降格。9年間も昇格できていないゆえに「上位にいるプレッシャーに勝てていない。経験がちょっと少ない。監督の仕事はプラスアルファの役目で、微調整すること。根底の順位を生み出すのは監督の力じゃない。1年くらいはできるが…」とクラブが抱える課題を口にした。
ただ何年間も抱える課題が、一朝一夕に解消されるわけではない。指揮官にとって“葛藤と活性”の供給は、未来へ投じる一石であり、現状打破への手段でもある。メンバーや戦術の固定は良い側面もあれば「悪い側面を埋められない」(中田監督)。「逆に型がないのに、勝つためにはどうすれば良いか考えろ。監督がどうとか相手がどうではなく、自分をどう高めていくか。求めた結果と違うならばガタガタ言うのではなく、自分を変えていけというだけの話。ポジション変更も受け入れろ。新しい選手が入ってきたら、必死で戦術的な話し合いをやっていくこと。慣れは活性化という意味では乏しくなる」とし「固定していれば、より昇格は遠くなる。昇格するためにも、このチームにはそれが必要」と力説した。セオリーとは反する難題を与えることで選手の自立を促し、どんな状況でも勝つことへの渇望を引き出す狙いがある。
「同じメンバーでやってきていたら、ここまで勝てていない。多分、チームは分断している。そして勝てなければ、監督の責任になっている。他人事になってしまっていた」。今季はすでに30人の選手がプレー。だが残り4試合になっても、前衛的なチャレンジは止めない。まずは甲府戦(11月4日、たけびし)。ツイッターなどで話題を振りまくなど“ファンタジー”溢れる指揮官の思惑は、果たしてチームに伝わるだろうか。
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