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広島、ピースマッチで首位固め 柴崎「駆け引きで勝った」FK弾

[ 2018年8月12日 05:30 ]

明治安田生命J1第21節   広島1―0長崎 ( 2018年8月11日    Eスタ )

前半、直接FKで先制ゴールを決める広島・柴崎
Photo By 共同

 その軌道に、特別な思いを込めた。前半アディショナルタイム、広島はペナルティーアーク手前からのFK。キッカーのMF柴崎はゴール左に陣取った相手GKの逆を突いて、左方向へ蹴り上げた。5枚の壁の頭上を越えた鋭いボールは左方向へカーブを描いて左隅へ。決勝ゴールを決めた33歳は「きっ抗した中でのセットプレーは重要。駆け引きで勝った」と胸を張った。

 奮い立つ理由があった。ともに被爆地をホームタウンとする長崎との「ピースマッチ」。試合前には広島が「86」、長崎が「89」の原爆の日を意味する背番号がしるされた「平和祈念ユニホーム」で入場。被爆者の代表らと握手を交わした後、黙とうをささげた。平和に感謝する思いを子供たちに伝えようと、折り鶴を持参した小中学生の観戦は無料。くしくも、試合の主役となった長崎県出身の柴崎は「僕たちはサッカーができる幸せを感じながらピッチに立った」と振り返り、城福監督も「サッカーという種目を超えた意味のある試合だった」と語った。敵将の高木監督も「これからも平和というものを一緒に考えていければ」と話した。

 後半43分にFWティーラシンが追加点を挙げ、2戦ぶりの勝利をもぎとった。2位FC東京との勝ち点差を一気に8まで広げ、首位固めに成功。意味ある一戦を経て、広島がまた強くなった。

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2018年8月12日のニュース