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【J1記者推し】横浜・前田直輝 リオ代表へ高速ドリブルで切り込む

[ 2016年2月18日 09:00 ]

逆転でリオ五輪を目指す21歳のドリブラー前田

 逆転でリオデジャネイロ五輪を目指す21歳のドリブラーが攻撃のパーツに加わった。総決算となった宮崎キャンプ最終日の広島戦。主力組の右MFで起用されたのが前田だった。得意の形を見せたのは後半。高速ドリブルで右サイドを上がり、カットインから利き足の左で強烈なシュート。相手GKに阻まれたが、才能の片りんを見せた。

 50メートル走6秒1の韋駄天(いだてん)は言う。「見てほしいのはボールを持った時のスピードです」。高速ドリブルへの自信がにじむ。かつてブラジル代表FWロナウドに憧れ、小4からJ2東京Vの下部組織で個人技を磨いた。スピードをより生かすため最近は海外サッカーでも細部に注目する。「どんなレベルでも1タッチのタイミングは共通している。“サッカー頭脳”を高めたい」と話す。

 移籍から約1カ月、“新しい前田直輝”も模索している。昨季プレーした松本は典型的な堅守速攻スタイルだった。奪った後は一気に前線までボールを運んでいた。横浜は違う。少ないタッチ数でのプレーが要求される。「まだ入り込めていない」と言う。自身の長所をどう新天地に落とし込むか。絶対的な司令塔、MF中村らとの連係が深まれば、前田の特長はさらに生きるはずだ。

 昨年7月、U―22日本代表に初選出も、その後、五輪予選では声が掛からなかった。「チームで結果を残す。生半可な活躍では五輪代表は勝ち獲れない」。昨季チーム得点王だったFWアデミウソンが抜け、練習試合とはいえ、ここまで4戦連続で無得点。従来の4―2―3―1に加え、2トップ布陣を試すなど苦心している。リオ切符、そして名門再建へ。前田の覚醒が待たれる。

 ◆前田 直輝(まえだ・なおき)1994年(平6)11月17日、埼玉県生まれの21歳。東京Vの下部組織で育ち、ユース時代の12年に2種登録され、Jリーグデビュー。J2通算48試合4得点。昨年はJ1に昇格した松本に期限付き移籍。リーグ戦は31試合3得点。7月にはU―22日本代表に選出された。今季から横浜に完全移籍。1メートル75、66キロ。利き足は左。

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2016年2月18日のニュース