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C大阪、攻撃の形築けず失速 苦闘のなかJ1復帰への得策は…

[ 2015年10月29日 17:00 ]

 担当するC大阪を中心に追ってきたJ2も、残り4試合と佳境を迎えている。近年、サッカー界でよく聞いていた「J1のレベルが下がって、J2のレベルが上がってきている」という言葉も、今はうなずけるようになった。簡単な試合はひとつもなく、上位が下位に負けるのは日常茶飯事。J1昇格は年々、難しくなってきているように思う。

 それにしても…。1年でのJ1復帰を目指すC大阪が苦しんでいる。J2屈指の戦力を誇りながら、最近6試合で1勝3分け2敗と急失速し、自動昇格は絶望的。プレーオフ出場権を逃す可能性さえ出てきた。第38節終了時点での1位~7位は以下の通りになっている。(数字は勝ち点)

  1位 大宮76

  2位 磐田72

  3位 福岡70

  4位 C大阪63

  5位 長崎57

  6位 東京V57

  7位 愛媛56

 アウトゥオリ監督が選手に辞意を表明するなど前代未聞のゴタゴタがあったとはいえ、問題はそれだけではない。ピッチだけに目を向ければ、攻撃の形を構築できていないことが失速の要因であることは明らかだろう。

 フォルランとカカウが在籍していた前半戦、前線の選手には自由が与えられていた。良くも悪くも彼ら次第。サイドチェンジを有効活用する「幅を使った攻撃」以外に、狙いが見えることはほとんどなかった。2人の退団後は元日本代表のFW玉田、田代がけん引してきたが、なぜかアウトゥオリ監督が2人を先発から外すと、攻撃力は著しく低下した。最近5試合でわずか2得点。今季17勝のうち逆転勝ちは2度しかなく、先制を許すと途端に焦りが生じてしまう。本来なら誰が入ってもチームとしての狙いが見えなければならないはずが、崩し方を築けなかったツケが回ってきている印象だ。

 順当にいけば3~6位で争うプレーオフ(PO)に回り、昇格を懸けて一発勝負の戦いに臨むことになる。過去に京都や徳島が戦ったPOを取材してきた観点からいえば、終盤戦に勢いを得られるかどうかが本当に重要で、このままならC大阪が敗退する姿は容易に想像できてしまう。攻撃に明確な形が見えない以上、まずは個の能力を備える田代や玉田を先発に戻すことが得策だと思えるのだが、果たして…。シーズンの残り4試合は大きな意味をもっているはずだ。(西海 康平)

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2015年10月29日のニュース