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浦和第一声!高原「得点王奪回を」

[ 2008年1月12日 06:00 ]

浦和入団会見で、背番号7のユニホームを着てチビっ子とフォトセッションに登場する高原

 日本人得点王奪回だ!浦和に移籍した日本代表のFW高原直泰(28)が11日、埼玉スタジアム内で単独の新加入会見に臨んだ。注目の背番号は7に決定。02年に自身が得点王になって以来、外国人に明け渡していたタイトルの奪回を宣言した。席上で推定年俸1億4000万円の3年契約で正式にサイン。フランクフルトから年俸2億円(推定)の残留オファーを蹴っての浦和入りだったことも明らかになった。

 真っ赤な戦闘服を身にまとった最強ストライカーが、埼玉スタジアムのピッチに現れた。総勢139人もの報道陣がどよめく中、新背番号の「7」を披露した。「ようやく浦和の1人として、スタートが切れるという気持ちですね」と高原。シェフチェンコ(チェルシー)、C・ロナウド(マンチェスターU)ら、世界のスーパースターと同じ背番号が、燦(さん)然と輝いていた。

 日本中が注目した浦和での第一声。寡黙なストライカーは高らかに得点王の奪回を宣言した。「(02年に)オレが獲って以来、日本人が獲ってない。FWである限りタイトルを目指すのは当然ですよ」。ドイツで実働5年、25得点を記録した自負の表れだ。03年以降の5年間、外国人が独占。日本人最上位とは6~8点差、05年には15点もの大差がついた。いつしか“日本人得点王”の冠が生まれた。それを自力で奪い返すという目標が、ドイツでもまれた男のプライドだった。

 高原の予想を上回る“レッズ愛”も判明した。当初は、中村修三GMでさえ「発想すらなかった」と話すドイツからの電撃獲得。「あれだけのサポーターは当然、後押しもしてくれるけど厳しい目もあって、重圧を受ける。レベルアップできる環境がそろっていると思う」。関係者によれば、フランクフルトは浦和を大幅に上回る年俸2億円超の残留オファーを出したが、高原は迷うことなく蹴ったという。

 唯一、心配されたエコノミークラス症候群もメディカル検査の結果、問題はなかった。今後、2月6日のW杯予選タイ戦まで日本代表の日程が続く。2月中旬にも東アジア選手権(中国)と、浦和のグアム合宿が重なり、チームへの合流期間の短さが懸念される。それでも「やるしかない。自分のプレーを引き出してもらうようにやっていきたい」と高原。たとえ2、3日でも時間が許せば、グアム合宿に乗り込み連係を高めるつもりだ。

 “特別扱い”も封じ込めた。浦和では欧州から復帰した小野を除く、全選手が三菱自動車の車をリースする。レッズ愛を誓う高原は、迷うことなく三菱の「ランサー・エボリューション」を希望した。しかも「ランエボでオートマに乗ってもしようがない」と、こだわりのマニュアル車だ。ピッチ同様、調和を重んじ、その中で自身のポリシーも貫くのが、高原スタイル。史上最強の呼び声高い08年の赤い悪魔に、最強の新エースが誕生した。

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2008年1月12日のニュース