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瀬戸「まあ負けることはない」ライバル萩野に“頂”戦状

[ 2016年8月6日 05:30 ]

サブプールで練習中の瀬戸

 リオデジャネイロ五輪競泳代表の瀬戸大也(22=JSS毛呂山)が6日(日本時間7日未明)、男子400メートル個人メドレー予選に出陣する。4日は五輪水泳競技場で調整し、ライバルの萩野公介(21=東洋大)へ勝利宣言した。ともに最高のコンディションをつくり上げて臨む夢の決戦。10年以上にわたり追い続けてきた男と夢舞台で決着をつける。

 「まあ負けることはないと思います」。不敵な笑みで勝利宣言した瀬戸に萩野はどんな感情を抱くのだろうか。恐れをなすのか、力がみなぎるのか。雌雄を決する戦いが一つの区切りを迎える。

 始まりは08年、中2夏のジュニアオリンピック杯400メートル個人メドレー。小3の初対決から萩野に負け続けていた瀬戸は自分の水着を忘れ、高速水着を借りて挑んだ。序盤で体2つ遅れたが、最後の自由形で逆転。「怪童」と呼ばれた男に初白星を挙げた。約5年間、追ってきた男を捉えた時、ライバル物語は始まったが、それからの2人は対照的な時を過ごした。

 11年は萩野がどん底だった。4月の日本選手権は発熱で棄権し、瀬戸が2位。8月のペルーでの世界ジュニア選手権で振るわず、JSS立石の麻績コーチに「水泳をこれから続けていく自信がなくなりました」と涙した。一方の瀬戸は国内で高校総体400メートル個人メドレーを2連覇した。

 12年は立場が逆転する。ロンドン五輪選考会前に瀬戸はインフルエンザで代表落ち。萩野は優勝して五輪切符をつかみ、本番で銅メダルを獲得した。失意の瀬戸はライバルの活躍に奮起。13年の世界選手権で多種目に挑戦した萩野が頂点を狙った最後の400メートル個人メドレーで失速すると、瀬戸が逆転優勝した。今度は萩野が14年アジア大会でMVPに輝くが、15年世界選手権前に骨折。そんな中、瀬戸が同種目2連覇し、再び逆転した。

 光と影。互いに好不調を繰り返してきたが、今大会はともに最高のコンディションで迎える。初の夢舞台に燃える瀬戸は「自分も調子いいですし、(萩野)公介も調子良さそうなので、真のチャンピオンがここで決まればいいと思う」と強調した。世界王者とエース。意地がぶつかりあう夢舞台の決着は、60年ぶりの競泳日本勢ワンツーフィニッシュがふさわしい。

 ▼ロンドン五輪男子400メートル個人メドレー 米国のライアン・ロクテが優勝し、ブラジルのティアゴ・ペレイラが2位。米国のマイケル・フェルプスとの競り合いに勝った萩野が銅メダルを獲得

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