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東京五輪サーフィン会場 九十九里最有力も…波に“波”あり

[ 2016年8月5日 05:30 ]

 東京五輪の追加種目にサーフィンが正式決定した4日、会場の有力候補である千葉県一宮町では、関係者が喜びの声を上げ、成功に向けて意気込みを見せた。国際オリンピック委員会のジョン・コーツ副会長も5月の会見で「千葉の可能性が最も高い」と明言しているだけに期待は高まる。

 同町の釣ケ崎海岸では、地元の小学生約50人らが「2020」と書かれた紙を貼ったサーフボードで決定を祝い、一緒にサーフィンを楽しんだ。

 一宮町在住でバルーンショップを経営している佐野麻由佳さん(46)は「一宮は波が良く、サーファーがたくさん住んでいる。ここで五輪をやってサーフィンの魅力が伝われば」と話した。

 千葉県の外房や茨城県の海は、日本を通過した台風や低気圧が東海上の海面で起こす“うねり”を一手に引き受けるため、国内有数のスポットとなっている。一宮町のサーフショップの店員は「海外のようなビッグウエーブはないが、頭オーバー(人間の身長を超える高さの波)の日もよくある。十分、競技できる」と話した。一般的に夏は海から陸に向かう「オンショア」と呼ばれる風が吹きやすく、きれいな波が立ちにくいというが「一宮は影響を受けにくい」という。

 ただ、同じコンディションが長続きしないのが日本の波の特徴。一般社団法人日本サーフィン連盟によると「日によっても変わる。行ってみたら変化していることもある」と説明しており、波のコンディションを完全に予測するのは難しい。

 大会は予備日を数日とり、その中で良い波の立った日に行う方式が一般的。神奈川県の人気スポット、湘南に月3、4回通うという男性(43)は「期間中にいい波が来ないと、競技の面白さを分かってもらえない不安もある」と話した。

 五輪会場には千葉・外房と湘南のほか、東京・新島や静岡・下田市、愛知・田原市などが名乗りを上げている。海外では人工の波に乗る「ウエーブプール」もある。英国では昨年、52人が同時に乗れる、縦300メートル×横110メートルのプールが約20億円かけて建設されたが、国際サーフィン連盟は海での開催を望んでいるとされる。

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2016年8月5日のニュース