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IF ロシア選手の“選別”着手 金藤&香生子のライバルはアウト

[ 2016年7月26日 05:30 ]

 国ぐるみのドーピング関与が発覚したロシアをリオデジャネイロ五輪から全面除外する処分が見送られた問題で、国際オリンピック委員会(IOC)からロシア選手のリオ五輪参加可否を巡る判断を委ねられた国際競技連盟(IF)は25日、8月5日の五輪開幕に向けて本格的な手続きに着手した。一方でIOCが設定した条件をクリアできず、競泳女子平泳ぎでメダル候補だったユリア・エフィモワが出場できなくなった。

 IOCの決定を受け、一部のIFがロシア選手の参加容認や出場可能選手の手続きに入った。25日にアーチェリー3選手の出場が認められ、体操も参加へと動きだした。国際柔道連盟(IJF)のビゼール会長は声明で「柔道ではロシアの出場は非常に重要」と歓迎した。24日には国際テニス連盟(ITF)が8選手の参加を容認。4大大会を2度制した女子のクズネツォワらが出場することになる。

 一方でIOCはロシア選手の出場にドーピング違反歴がないことや信用できる国外検査をクリアしていることなどの条件を設定。出場申請を受け付けた選手には追加の検査を義務付けた。国際水泳連盟は25日、IOCが設定した条件により、ロシアの7選手がリオ五輪に出場できないと発表。12年ロンドン五輪の競泳女子200メートル平泳ぎで銅メダルのエフィモワや13年世界選手権男子50メートル自由形銀メダルのモロゾフが含まれている。エフィモワは同種目で日本の金藤理絵(Jaked)に次ぐ今季世界ランク2位。同選手が出場できなくなったことで200メートル平泳ぎでは金藤と渡部香生子(JSS立石)、100メートル平泳ぎでも渡部らのメダル獲りには追い風となりそうだが、8月5日の開幕を控えて出場資格を巡る混乱は今後も避けられない。

 今回のIOCの決定には批判が噴出。米国反ドーピング機関のタイガート委員長は「クリーンな選手や五輪の尊厳を守る大事な局面でIOCは指導力を発揮することを避けた」と批判した。IOCのペンギリー委員(英国)はBBC(電子版)に「責任の丸投げ」と断じ、英メディアは「リオ五輪全体の信頼性がずたずたになった」と報道。五輪の価値が揺らぎかねない状況となっている。

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2016年7月26日のニュース