新国立2案 デザインは「和の大家」と建築界のノーベル賞”
新国立競技場 最終2案公開
デザイン案を手掛けたのは、それぞれ隈研吾氏(61)と伊東豊雄氏(74)を中心とする2グループとされる。ともに日本を代表する建築家だが、JSCは選考過程の透明性確保のため実名を明かしていない。
A案を手掛けたとされる隈氏は「和の大家」の異名を持つ。大胆なデザインの中に、日本らしさを感じる建築で有名。木材を多用することも特徴だ。
13年4月に新開場した歌舞伎座や、浅草文化観光センターなどが代表作。建築家を目指したのは、10歳で迎えた1964年(昭39)の東京五輪だという。丹下健三氏が設計したメーン会場の一つ、代々木体育館を訪れて優美さに感動。将来の目標を獣医師から建築家に切り替えた。過去のインタビューで「(20年)東京五輪が、内向的すぎる日本の若者がアクションを起こす契機になってほしいと思います」と語っている。
一方の伊東氏は、“建築界のノーベル賞”といわれるプリツカー賞を13年に受賞。ミキモト銀座第2ビル、せんだいメディアテーク(仙台市)、台湾の高雄国家体育場などを手掛けた。アルミや鉄骨を大胆に使い、曲面形状を効果的に織り交ぜて生み出す軽快なイメージが特徴だ。
伊東氏が手掛けたとみられるB案は、競技場外を取り囲む72本の支柱が印象的。長野県諏訪大社の御柱(おんばしら)へのオマージュとされ、伊東氏は中学卒業まで諏訪大社のある同県下諏訪町で暮らしている。幼少期に得たインスピレーションが生かされたデザインとみられる。
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