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森会長、新国立「B案がいい」…決定権なしも影響力心配の声

[ 2015年12月15日 05:30 ]

新国立競技場 最終2案公開

 新国立競技場の2つのデザイン案が公開されたことを受け、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は14日、「外見だけならB案」と私見を語った。白紙撤回されたデザインを「生ガキ」と発言。紆余(うよ)曲折を経て動きだした計画に、早くも“森節”をさく裂させた。

 森会長は2つの案ともに完成時期が、国際オリンピック委員会(IOC)の要望より早い19年11月に設定されたことについて「マジック」との表現で歓迎の意を表した。

 記者団からどちらの案がいいかと尋ねられた森会長は「外見だけならB案の方がいい」と述べ、「いかにもスポーツという雰囲気が出ている。ギリシャの神殿みたい」と上機嫌で持論を展開。

 一方、A案については「大会をやっているという明るさがない」などと評した。さらに「デザインよりも中身がどういう仕様になっているか、求められていることができるかが大事」などと述べた。“待った”がかかった新国立建設が少し前進することで安心したのか、森会長の口は久々に滑らかだった。

 ただ、日本ラグビー協会名誉会長らしく「あと2カ月前にできると言ってくれれば、ラグビーもできるんだけど」とチクリとやる場面もあった。

 どちらの案を採用するかは日本スポーツ振興センター(JSC)が行うため、森会長に決定権はないが、東京五輪運営の重要人物。一方に肩入れするような発言に、影響力を心配する声も漏れる。

 新国立をめぐって森会長は、英国の女性建築家ザハ・ハディド氏のデザインについて「もともとあのスタジアムは嫌いだった」「生ガキがドロッと垂れたみたい」と語って物議を醸したことがあった。また、当初の予定よりも建設費が高騰した際には「国は2520億も出せなかったのかね」とも。さらに、責任を問う声が一部にあることを聞かれ「大変迷惑している」などと話していた。

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2015年12月15日のニュース