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チベット選手の五輪出場なくなる

[ 2008年6月20日 20:59 ]

 北京五輪で600人規模となる中国選手団にチベット民族からの選手は含まれないことが20日までに確実となった。ボート女子エイトの中国が18日までポーランドで行われた五輪世界最終予選で出場権を逃し、同民族ただ1人の五輪代表となる見込みだったコックス、ズレンジ選手(26)の参加がなくなったため。

 中国の国家体育総局水上スポーツ管理センターは一昨年から男女エイトのコックスを一般公募。ズレンジ選手は男女の応募者約1万7000人の競争を勝ち抜いた。総局もチベット暴動後の今年四月に同選手の存在を公表するなど、「民族融和」のアピール役としても期待されていた。

 20日に帰国したズレンジ選手は共同通信に「惜しいレースだった。たくさんの人にチベットのことを理解してもらうために五輪に出たかった」と無念そうに話した。

 最終予選は上位2位までに出場権が与えられ、中国はカナダ、オランダに次ぐ3位。水上スポーツ管理センターの韋迪主任は「開催国枠は他の種目に回したので、残念だが彼女は五輪に出られない」と話した。同予選ではもう1人のコックスが起用され、ズレンジ選手は出場しなかった。(共同)

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2008年6月20日のニュース