【WASJ】武豊 30年ぶり2度目王者 最終戦2着で“差し返し”「夏の最後にいいことがありました」

[ 2022年8月29日 05:30 ]

WASJで優勝した武豊(撮影・千葉茂)
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 3年ぶりに開催された「2022ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」は28日、札幌で2日目を迎え、武豊(53)が前身の92年ワールドスーパージョッキーズシリーズ以来30年ぶり2度目の優勝を飾った。前回19年優勝の川田将雅(36)が2位、初出場の松山弘平(32)が3位に入った。

 全レース終了後、パドックで行われた表彰式で司会進行役が「優勝、武豊ジョッキー!」と発表すると多くのファンがドッと沸いた。晩夏の札幌は夕方になると、ひんやりとした空気に包まれるが場内は興奮冷めやらぬまま熱気十分。30年ぶりのシリーズ優勝となった競馬界の第一人者は満面の笑みでインタビューに答えた。

 「このシリーズはこれまで2位が多かったし、凄くうれしいです。30年前だと(参加ジョッキーで)まだ生まれていない人もいるし、恥ずかしいですね。もう1週あるけど夏の最後にいいことがありました」

 振り返れば88、94、95、97、00、15、16、18年とシリーズ2位が8回。99年の3位もある。だからこそ、優勝の味は格別だった。結果はもちろん、展開が劇的だった。初日1着&3着でトップで折り返し。初日3位の松山がこの日、10R・第3戦で勝ち、いったん首位に浮上した。優勝争いの行方は12R・最終戦へ。コンビを組んだカフジアスールは2番人気、勝てば逆転優勝の川田は1番人気メイショウラナキラに騎乗。道中4番手から直線、逃げ粘る川田&メイショウラナキラを捉え、2着確保で20ポイントを加算した。

 最後の最後で“差し返して”シリーズV。表彰式で先にインタビューを受けた川田が「レジェンドの壁は厚かったです」と脱帽すれば武豊も「最後はただただ川田君をターゲットにしていました」と応え、笑いを誘った。また、コロナ下にもかかわらず外国人ジョッキーが来日。「来るのに難しい状況だけど来てくれて良かったし、ありがたい。やっぱり一緒に乗っていて楽しいし、刺激になりますから」と感謝の思いを口にした。

 サマーシリーズ最終週は土曜の札幌2歳Sがアンテロース、日曜の小倉2歳Sはクリダームとのコンビ。来週は自身が海を渡り、仏遠征のドウデュースとニエル賞(9月11日、パリロンシャン)に参戦する。24日のCWコース追いが超抜の動き。「迫力が増した」と、もうひと皮むけたダービー馬の走りを確かめた。夏も秋も、そして国内外ステージを問わず、ただ勝利を目指して乗り続ける。

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