14年前のように…角居厩舎3頭上位独占なるか

[ 2020年6月26日 05:30 ]

メルボルンカップの優勝を報じる地元紙を手に笑顔を見せる角居勝彦調教師とデルタブルース(撮影・平松さとし)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】2006年のメルボルンC(豪G1)は日本馬がワンツーフィニッシュを決めた。勝ったのはデルタブルースで2着はポップロック。いずれも角居勝彦調教師の管理馬。あれから14年が過ぎたがこの南半球最大のレースを制した日本馬は、後にも先にもこの1頭だけだ。

 当時、私も現地へ取材に出向いた。これ以上ない最高の結果に終わるわけだが、2頭は共に必ずしも順風満帆だったわけではなかった。

 2頭はいずれも現地入り後コーフィールドC(G1)を使った。ポップロックは前が詰まって7着に敗れ、デルタブルースに至っては3着したものの外傷を負ってしまった。メルボルンCは約2週間後。リカバリーするには時間に余裕はなかった。

 デルタブルースのケガが軽傷であることが分かると、3日後には調教を再開した。一方ポップロックは使ったことで気が乗り過ぎたため少し休ませて4日後に再開。共に馬場入りしだしてからも併せはせず、別メニューの調教をした。追い切りもデルタブルースは決戦の地となるフレミントン競馬場で行い、ポップロックは検疫厩舎があるサンダウン競馬場で行った。当時、角居師はその理由を次のように語った。

 「デルタは気を乗せたかったし、ポップは落ち着かせたかったから別々にやりました」

 そんな陣営に追い風が吹いた。枠順が11、12番。24頭立てのこの年は頭数を二分して、1番と13番からゲートイン。以下、順次それぞれの若い枠番、つまり2と14、3と15といった具合で枠へ入れられる。つまり、日本馬2頭は限りなく後入れとなったのだ。人事を尽くして天命を待った結果、運も味方してくれた。それが偉業につながったということだろう。

 さて、この角居師は、今週末の宝塚記念(G1)にキセキ、サートゥルナーリア、トーセンカンビーナの3頭を出走させる。14年前のオーストラリア同様、上位独占なるだろうか?期待したい。(フリーライター)

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2020年6月26日のニュース