【東京新聞杯】プリモ復活V!ミルコ笑顔満開「切れる馬。完璧」

[ 2020年2月10日 05:30 ]

東京新聞杯を制したM・デムーロ騎乗のプリモシーン(撮影・西川祐介)
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 「第70回東京新聞杯」が9日、東京競馬場で行われた。4番人気の牝馬プリモシーンが直線鋭く抜け出し、18年関屋記念以来1年半ぶりの勝利で重賞3勝目。見事な復活劇で悲願のG1獲りに弾みをつけた。ディープインパクト産駒は同レース7年連続連対で3勝目。また、京都メイン「第60回きさらぎ賞」は7番人気のコルテジアが重賞初V。管理する鈴木孝志師(48)は開業11年目でうれしいJRA重賞初制覇となった。 レース結果

 プリモシーンの復活に、全員が喜んだ。木村師は何度もガッツポーズし、見事な手綱さばきで勝利に導いたM・デムーロともガッチリ握手を交わした。馬の首筋を何度も撫でて下馬した鞍上も笑顔満開。「凄く手応えが良かった。ずっと自信を持っていたので勝てて良かった」と胸を張った。

 牝馬ながら別定56キロ。その“ハンデ”をものともしない完勝だった。道中は中団から。直線で外めに進路を取ると一気に脚を伸ばして先行勢をまとめて捉えた。重賞3勝目は1年半ぶりの復活V。同レースでの1番枠は73年スガノホマレ以来勝っていないというジンクスもあったが、鞍上は「内枠でもずっと流れが良くて、とても切れる馬なので完璧だった」と事もなげに振り返った。

 念願のコンビ結成で結果を出した。「ずっと乗りたいと思っていた」。重賞2勝目となった18年関屋記念で2着ワントゥワンに騎乗していたM・デムーロは、当時からプリモシーンの強さにひかれていた。自身が乗った追い切り後には「やっぱり能力が凄く高い」と絶賛。その能力をフルに引き出した。

 昨年のヴィクトリアMでは、ディープインパクト産駒らしい加速で上がり3F最速33秒0の剛脚を披露し、首差2着と力を示した。だが、近2走は15、11着と大敗。休養を挟んで立て直し、再起を期した一戦だった。昨年輝きを放ったのと同じ東京マイルでの勝利に、木村師は「ホッとした。頑張ってくれて良かった」と胸を撫で下ろし、「馬の状態が良かった。(厩舎に)入ってきた時から馬体の質感から健康状態が良かった。いい時のしぐさもそうだし、体の皮膚感も全然違った」と放牧先のスタッフへの感謝も忘れなかった。

 今後について「G1を使うことになると思います」と指揮官。具体的なレース名は明言しなかったが、マイル路線を見据えている。「伸びしろがありますよ」と、さらなる成長の可能性を語った師。昨年はG1タイトルにあと一歩及ばなかったが、今年はその忘れ物を取りにいく。

 ◆プリモシーン 父ディープインパクト 母モシーン(母の父ファストネットロック)牝5歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績14戦4勝 総獲得賞金2億210万円。

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