【江戸川大賞】枝尾 G1初制覇!優勝戦“3度目の正直”37歳同期1号

[ 2019年9月30日 05:30 ]

江戸川大賞でG1初制覇を達成し、賞金1000万円を獲得した枝尾
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 G1「江戸川大賞・開設64周年記念」は29日、12Rで優勝戦が行われた。1号艇の枝尾賢(37=福岡)が逃げ切って1着。3度目のG1ファイナル挑戦で初制覇を飾り、賞金1000万円と共に来年のSGクラシック(3月17~22日、平和島)の出場権を獲得した。

 最終日は6Rから1号艇が6連敗。イン受難のムードが漂っていたが、予選トップ通過の枝尾には関係なかった。2コースの石渡にスタートで半艇身先行されながらも力強く伸び返して先マイ。1M出口では差した石渡を逆に1艇身以上も引き離し、決着をつけた。

 「途中で様子を見たら石渡さんに行かれてしまったが伸び返してくれた。本当にエンジンのおかげです」

 勝因を相棒の58号機と挙げたように、今節は前検にペラを叩いてから調整なし。それでいて6号艇で3着に敗れた以外は全て白星と、順調の航跡を描いた。

 しかし、枝尾のレーサー人生は順風満帆とは正反対のものだ。デビュー前に右手の筋を切り、初出走は同期より3カ月遅れの02年1月。09年には足を骨折し、半年以上の休養を強いられた。「いっぱいケガをしたので怖い気持ちが戻る時もある」。常に恐怖と隣り合わせ。だが、枝尾は打ち勝った。そして89期生初のG1ウイナーに輝いた。

 「同期で獲った人がいないので意識はしていた。まだ実感は湧かないが、まずは師匠の藤丸光一さんに電話します。この賞金も家族旅行などに使えれば」

 いばらの道を進んできたからこそ感謝の気持ちを忘れない。賞金ランク46位に浮上し、12月グランプリシリーズでのSGデビューが見えてきても姿勢は変わらない。「選手になった以上は一度は出たかった舞台。もちろん挑戦したい気持ちはある。でも僕は一走一走を大事にするだけです」。戦うステージが上がっても枝尾は一直線に我が道を歩み続ける。

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2019年9月30日のニュース