【アイビスSD最終追い】ライオンボス 軽快なフットワークで充実ぶり

[ 2019年7月24日 16:24 ]

<アイビスサマーダッシュ 調教>併せで追い切るライオンボス(右) (撮影・西川祐介)
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 快足馬が静かに牙を研いだ。新潟千直で連勝中のライオンボスの最終追いはPコースでの併せ馬。アラゴネーゼ(3歳1勝クラス)から2馬身先行し、ゆったりと駆け出す。序盤は折り合いに専念。4角で外から後輩が並びかけてくるとギアを一段上げた。抜け出さず、かわさせず。そのまま楽々と併入した。馬なりで5F69秒1~1F11秒8(良)。軽快なフットワークで充実ぶりを見せつけた。

 「テンが速くならないよう、しまいを併せる形。動き、テンションともに問題ない。予定通り」。見守った和田正師は静かにうなずいた。今年に入ってから2戦連続最下位。しかし、直線競馬に活路を見いだし“覚醒”した。2走前、初めての千直となった邁進特別では15番人気の低評価を覆す圧勝劇。一転して1番人気に推された前走・韋駄天Sも53秒9の好タイムで逃げ切った。師は「千直に適性があったのでは。スピードがあるし、控えずに行かせる競馬が合っている」と分析する。

 邁進特別からコンビを組む鮫島駿はパートナーの絶対能力に信頼を寄せる。「この馬が一番速い。1000メートルの中でも息を入れられるので、仕掛けてからまた反応する。ここ2戦は強い勝ち方をしてくれているし、重賞でも通用するはず」。先週水曜日には騎手学校生時代以来初めて美浦トレセンを訪れ、1週前追いに騎乗。「2カ月以上空いたので感触を確かめたかった。動きは良かった。人気すると思うが結果を出せる馬」と好感触を得た。

 中間は、和田正師の父で昨年2月末に引退した和田正道元調教師も育成に携わる和田牧場でリフレッシュ放牧。厩舎の顔オジュウチョウサンと同じ調整過程を踏む。新たな個性派スター出現の予感さえするが、「まだ次がどうこうという馬ではない」と同師。まずは“千直の王”へ全力投球の構えだ。

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2019年7月24日のニュース