【チャンピオンズC】グレンツェント 巧腕ボウマン初G1導く

[ 2017年11月29日 05:30 ]

G1初戴冠の期待がかかるグレンツェント
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 過去のレースパターンから穴馬をあぶり出す秋のG1企画「激走馬ロックオン」は、ジャパンCをシュヴァルグランで制したボウマンに乗り代わるグレンツェントが浮上。G1では勝ちきれなかったタイムパラドックスが武豊とのコンビでG1初制覇を成し遂げた04年の再現なるか注目だ。

 【情勢】今年のチャンピオンズCはG1ホース7頭が集結。ただ、G1・10勝を挙げるコパノリッキーは実績では断然最上位も、このレースは3年連続で参戦して12、7、13着と人気を集めながら惨敗が続いている。連覇を狙うサウンドトゥルーも前走・JBCクラシックで久々の勝利を挙げたが、年齢も7歳とあれば大幅な上積みには疑問符。人気順を読むのも極めて難解な状況となっている。

 【近似】似ているのが04年(当時はジャパンCダートとして東京2100メートルで開催)。南部杯など既にG1・3勝を挙げていたユートピア、02年ジャパンCダートの覇者イーグルカフェに加え、米G1勝ちの外国馬トータルインパクトなど、そうそうたるメンバーが顔をそろえた。そんな中、G1・7勝馬アドマイヤドンが単勝1・7倍と支持を集めたが、2番人気以下はトータルインパクトで4・4倍、3番人気が500万勝ち以来のダート参戦となったローエングリンが8・9倍と続く混戦ムードだった。

 レースを制したのはアドマイヤドンと同じ松田博厩舎所属で4番人気のタイムパラドックス。ダート重賞4勝とコツコツ実績を積み重ねていたものの、同年フェブラリーS6着、帝王賞4着、JBCクラシック3着。G1で好走するも、あと一歩のところで手が届いていなかった。微妙に人気を落としたここで、騎乗2戦目となった武豊の巧腕に導かれ、G1初タイトルをもぎ取った。

 【浮上】今年の激走馬はグレンツェント。これまでにレパードS、今回と同条件の中京ダート1800メートルの東海Sと重賞2勝を挙げ実績は十分。前走・JBCクラシックは5着に敗れはしたが、G1初挑戦だったことを考えれば、上々といえる内容。何よりも頼もしいのは、ジャパンCでシュヴァルグランを頂点へと導いたボウマンへの乗り代わり。実績十分の隠れた実力馬が、名手に導かれてあっと驚くG1初戴冠のシーンが見られるかもしれない。

 【04年VTR】大外からローエングリンが飛び出し、よどみない流れで逃げる。タイムパラドックスはピッタリ折り合いながら後方追走、直線内から一気に抜け出した。終始外を回ったアドマイヤドンは直線で追い込むも、内からうまく出し抜いた僚馬に完敗。ジンクライシスが好位から抜け出す正攻法の競馬で3着に健闘。北米代表トータルインパクトは直線伸び切れず4着に敗れた。

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2017年11月29日のニュース