【安田記念】満点イスラ　チーター走法でルメール「自信」

併せで追い切るイスラボニータ（左から２頭目）
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　【Ｇ１ドキュメント＝３１日】イスラボニータを送り出す栗田博師が安どの表情を浮かべながらスタンド２階の会見場に姿を見せた。「タイトな攻め馬になったが、実戦並みに馬群を抜けてきた。動きは満点」と口火を切ると、終わったばかりの追い切りを振り返った。

　Ｗコースでヤマニンリュウセイ（４歳５００万）の６馬身後ろから徐々に加速していく。その差を３馬身に詰めた直線入り口。ヤマニンリュウセイがさらに前方を進む他厩舎の３頭に追いつき、４頭が入り乱れて横並びになった。「イスラボニータはどこから抜けてくるんだ」。調教スタンドから不安の声が上がる。だが、狭いインに進路を取ると、漆黒の馬体が躍った。余力たっぷりにラスト１Ｆ１２秒１の瞬発力で併入に持ち込んだ。

　「関節がしなやかだから前肢をチーターのように高々と上げてトップスピードに入るんだ。体操選手のコマネチみたい？あんたも古いね」。同師は長老・梅崎の質問に笑顔を返した。チーターかコマネチかはともかく、前肢を水平近くまで上げる走法は好調時のサイン。体のどこにも不安がないからちゅうちょなく前肢を伸ばせるのだ。この日は併走馬の内に隠れてスタンドから確認できなかったが、内馬場から撮影した写真を見ると…。コマネチ、いやチーター走法だった。

　史上初の４週連続Ｇ１制覇が懸かる主戦・ルメールは「前走で（２年７カ月ぶりに）勝って馬に自信がついた。東京のマイルも合う」と語る。「ルメールは乗れているし、自信を持って送り出せる。安田記念を勝たせたい」と同師も揺るぎない手応えを隠さなかった。