【安田記念】攻め抜いたエアスピネル 武豊「速いタイム」

[ 2017年6月1日 05:30 ]

坂路併せ馬で追い切り、軽快な走りを見せたエアスピネル(左)
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 エアスピネルが叩き出した坂路4F51秒8、と印字したペーパーを手に、笹田師が「ユタカ、いい感じやで」と近寄る。それに目を通した武豊は「速いタイムですね」と応じた。最終追い切りは厩舎サイドで仕上げたため、主戦騎手に感触を伝えるさりげない会話。すると武豊は「安田記念で3着までに入れば(仏G1)ジャックルマロワ賞の優先出走権が得られるそうですね。行きますか?」と誘い水。脱線にも笑顔に笑顔が重なる両者。どこか自信が見え隠れする。

 変化を求めてきた。従来は1週前に速いタイムで、当該週はサラリ…だったが、今回は最終追い切りまで緩めずに攻め抜いた。

 坂路の併走追い。エアスピネルはシホウ(6歳1600万)を5馬身ほど追いかける形でスタート。追いつくやタメることなく一気に突き放し約2馬身先着。

 「先週、ジョッキー騎乗で目いっぱいやっている。レース週は少し余裕を持たせた中でも速い時計を出すよう指示。この馬の性格を考えてキツく苦しめてみた。苦しい思いをさせて、レースで全力を出せるように、という狙い」と笹田師。

 この調教こそ、ここぞのタイミングで勝負根性を掘り起こす一手なのだ。

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2017年6月1日のニュース