【天皇賞・春】“盾男”だ!武豊 史上初の同一G1・8勝を記録

[ 2017年5月1日 05:30 ]

<天皇賞・春>キタサンブラックで連覇を達成し、馬上で笑顔を見せる武豊
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 さすがキタサンブラック!さすが武豊!!絵になる人馬が「第155回天皇賞・春」の舞台を独占した。対サトノダイヤモンドで有馬記念のリターンマッチの趣もあった一戦はキタサンブラック(牡5=清水久)が早め抜け出し、雪辱に成功。同馬のG1はこれで5勝目を数え、天皇賞・春は連覇。鞍上武豊は同一G1史上最多の8勝目(秋は5勝)。最強タッグの足跡は、次走の宝塚記念(6月25日、阪神)、秋の凱旋門賞(10月1日、仏シャンティイ)へと続いていく。

 キタサンブラックがスーパーレコード3分12秒5でゴールを駆け抜けた瞬間、武豊の史上初JRA同一G1・8勝目が記録された。

 勝ち時計は11年前に武豊を背にディープインパクトが刻んだ3分13秒4の日本レコードをコンマ9秒も更新。武豊がパートナーを称える。

 「タフなレースで、さすがに最後はいっぱいいっぱいになったけど、何とか頑張ってくれました。ゴールしてから改めて強い馬だなと…。ディープインパクトの時計はしばらく破られないと思っていたけど大幅に更新しましたから。こういう馬に巡り合えて幸せ」

 完璧な立ち回りでレースを支配した。ヤマカツライデンがハナを切って最初の1000メートルを58秒3で通過。その速い流れで深追いはせず、なおかつ後続を引きつけ過ぎることなく2番手からチャンスをうかがう。2周目3コーナーすぎの坂の下りからポジションを上げ、4コーナー手前で先頭へ。思い描いた通りのシナリオで勝利を引き寄せた。

 「展開はある程度、予測していました。遅いペースにはしたくなかったんです。昨年より強くなっているし、もう少し速い時計で走らせたいなと思っていました。昨年の今頃より、はるかに強くなっています。素晴らしい状態で不安に思うことは全くなかったです」

 史上初のJRA同一G1・8勝目は記録にも記憶にも残る勝利になった。共同会見ではインタビュアーの「平成の盾男ですね」という振りに「昭和では勝っていないですから」と絶妙な切り返し。場の空気を和ませ「数々の名馬に乗せていただいて感謝しかないです」と笑みを浮かべた。

 順調なら次走は予定通り宝塚記念へ。オーナー、陣営はその先に凱旋門賞を見据えている。「いろいろな選択肢があって、その中にフランスも入っているんだと思います」。海を渡る前に春の国内G1・3連勝へ。最強コンビがサマーグランプリでも堂々、主役を張る。

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