【京成杯AH】ダノンプラチナ攻めた 完調手前でも12秒7

[ 2016年9月8日 05:30 ]

蛯名を背に迫力十分に追い切ったダノンプラチナ(右)

 東西でG1馬が躍動だ。秋の中山開幕を飾るマイル重賞「第61回京成杯AH」の最終追いが7日に美浦、栗東トレセンで行われた。2月東京新聞杯4着以来のダノンプラチナは菊花賞を見据える後輩プロディガルサンとしっかり併入。鞍上・蛯名は手放しではないが、14年朝日杯FSを制した愛馬への期待は熱い。大目標のマイルCS(11月20日、京都)に向け、譲れない秋始動戦だ。

【京成杯AH】

 分厚い雲の下、ダノンプラチナはWコースで後輩プロディガルサン(3歳オープン)を引き連れて、3馬身先行した。直線は外へ。次週セントライト記念に出走予定の後輩の方の手応えも抜群だが、プラチナの鞍上・蛯名の手綱も押さえたままだ。5F68秒3~1F12秒7(馬なり)。パワフルな脚さばきで、体を並べてゴール。追い切りが無事終わるのを待つように、雨が音を立てて降りだした。

 調教スタンドに小走りで入った蛯名は眼光鋭く切り出した。「正直久しぶりかな…って感じはある。(トップハンデの)58キロもかわいそうと思うけど、力があるので仕方がない。今までを踏まえて、牧場も厩舎も悪くならないようにやってくれている」。その表情に悲観の色はない。2歳時は3連勝で朝日杯FS制覇。3歳時はクラシック優勝も期待されていたが、順調に使えなかった。4歳の今年は2月東京新聞杯(4着)を1戦したのみ。爪の不安で安田記念は自重し、秋に方向転換。「やり過ぎては駄目だけど、ギリギリのところまでは攻めた。時計も予定通り。ただポテンシャルを考えると、現状は70%ぐらいかな。でも走るかもしれない…」。辛口の言葉が交じるのは鞍上の期待の高さゆえ。

 国枝師も「今は爪も大丈夫。動きも問題ない。体が減って思うような調教ができなかった昨秋と比べても体つきもいい。今秋はマイルCSに行きたいと思う。長く休んだ分、ハンデは背負っても、早めに動きだした」と秋開幕戦に照準を絞った理由を明かした。

 今後は1戦挟むか、マイルCS直行のプラン。ブランクはあっても、G3で凡走はできない。鞍上は「目指すところはもっと上。ここを見ている馬ではない。できる範囲で精いっぱいやったので」と底力に託した。トップハンデを克服し、昨年10月富士S以来の勝利の美酒を味わえれば、再び大舞台が待っている。

続きを表示

2016年9月8日のニュース