【アイビスSD】ベルカントが連覇!年内引退で「キズナに嫁入り」

[ 2016年8月1日 05:30 ]

ネロ(左)との叩き合いを頭差で制し、連覇を果たしたベルカントとM・デムーロ

 新潟は連覇、札幌は連勝だ。新潟の直千重賞アイビスサマーダッシュは1番人気ベルカントがレース史上2頭目の連覇を成し遂げた。前田幸治オーナーはレース後、キズナへの嫁入りプランを発表した。

【レース結果】

 前田幸治オーナーからベルカントの繁殖プランが発表されたのは、勝利に沸いた表彰式の後。「ここまで頑張ってくれたから今年いっぱいで繁殖入りさせる。最初に付けるのはキズナ」。具体的な引退レースは明言しなかったが、年内での競走馬引退を表明。初交配の相手は弟の晋二氏が所有した13年のダービー馬になる。

 史上2頭目の“直千”重賞連覇は、決して楽なものではなかった。昨年は直線競馬で有利とされる外めの13番枠だったが、今年は4番枠。ましてや最大のライバル・ネロは大外13番枠に入っていた。「ネロはいい脚を使う馬。でも、うまく2番手のいいところに付けられた」とM・デムーロ。一直線にハナへ立ったのはネロ。しかし、剛腕がグイッと右に促すと一瞬でベルカントは“Vポジション”に収まった。「ネロは止まらなかったので最後は危なかった。結構ムチを使った」。ラストは2頭の壮絶な一騎打ち。ネロの鞍上・内田の追いだしにワンテンポ置いてデムーロはGOサイン。内から必死に脚を伸ばし、頭差抜けたところがゴールだった。

 角田師が「この時季はいつも状態がいい。枠は内だったけど、有り余るスピードで(不利な枠を)はね返してくれました」と馬を称えれば、前田オーナーは「デムーロがうまく考えて乗ってくれた。他の馬が寄ってきてもひるまなかった」と鞍上の手綱さばきに敬礼した。

 昨年は次戦の北九州記念(小倉)を勝って、サマースプリントシリーズの頂点へ。「今年も次は小倉(21日)へ向かう。またスプリントのチャンピオンの座を狙いたい」と同オーナー。「産駒は距離が延びてくれればいいね。クラシックを狙えるような子を期待している」。ファンも待ち望む“快速牝馬”の子供たち。でもそれはもう少し先の話。まずは熱い熱い最後の夏が待っている。

 ◆ベルカント 父サクラバクシンオー 母セレブラール(母の父ボストンハーバー)牝5歳 栗東・角田厩舎所属 馬主・ノースヒルズ 生産者・北海道新ひだか町土居忠吉氏 戦績19戦6勝(うち海外1戦0勝) 総獲得賞金2億4457万3000円。

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