【尼崎・オールスター】大会初推薦V!平本がイン押し切りSG2勝目

[ 2016年5月30日 05:30 ]

第43回ボートレースオールスターで優勝しカップを掲げる平本

 ボートレース尼崎のSG「第43回ボートレースオールスター」は29日、12Rで優勝戦が行われ、1号艇の平本真之(32=愛知)が優勝した。インを押し切り、14年のグランプリシリーズ以来2回目のSG制覇。優勝賞金3500万円を上積みし、獲得賞金ランキング2位に浮上した。2着は重成一人(37=香川)、3着には峰竜太(31)が入った。

 2個目のSG奪取。ゴールのかなり手前から2度のガッツポーズで喜びを表現した。その訳は「ゴールしてからだとカメラ引いちゃうから。平和島(グランプリS)の時は映っていなかったので」と終始笑顔。ただ、元選手のさやか夫人と長男(3)と対面して「子供に抱きつかれたときは、うるっとした」とパパの表情をのぞかせた。

 全艇スローのイン戦となったものの、1Mはヒヤリとした。「丁寧に回ろうとしたらターンマークに寄り過ぎて“やってしまったな”」とターンミス。左方向には差した重成や岡崎の舳先。「岡崎さんに入られたと思ったが、出口でちょっとのぞいていたので強引にでも行かせてもらおうと思った」。とっさの判断で内を締め、内から伸ばしてきた岡崎を抑えた。完璧な旋回で2Mをクリアし、あとは独り旅となった。

 委員会推薦で出場した選手の優勝はオールスター史上初。初日の選手紹介では戦隊もののマスクをかぶって「ファン投票じゃ来られないんジャー」。自虐ネタで盛り上げたが、終わってみれば予選1位→準優勝戦1号艇→優勝戦1号艇の王道Vだ。戦隊ものならば「レッド」。堂々主役を演じた。11年のグランドチャンピオン(児島)は1枠で優出しながらスタートを失敗して6着。同じ1号艇から5年前の失敗と決別し「あの頃より気持ちの面で成長できている」と頼もしかった。

 同期の篠崎元に次いでGPシリーズから2冠目。かつて「GPシリーズでSG初優勝を飾った選手は2度とSGを勝てない」というジンクスがあった。「去年(蒲郡メモリアルで)元志がジンクスを破ってくれて続きたいと。新田雄史や元志に追いつけて真のSGを獲ったという気持ち」と喜んだ。賞金ランクは首位の坪井に肉薄。初のグランプリ出場を射程に捉えた。

 クルッとした瞳、ゆるふわヘアの愛されキャラクター。優勝インタビューで質問に答える際、ファンから声をかけられる度に話すのをやめて笑顔で応じるのが平本流だ。「怖い雰囲気を出したくないんですよ。笑っていた方が福も来ると思いますし」。いつまでも強く、優しいヒーローたらんことを。次は地元の蒲郡のグランドチャンピオンだ。

 ◆平本 真之(ひらもと・まさゆき)1984年(昭59)5月5日生まれの32歳。96期。愛知支部所属。2005年5月の地元蒲郡タイトル戦でデビュー。08年4月の常滑一般戦で初のV。12年芦屋周年でG1初優勝、14年平和島グランプリシリーズでSGタイトルを奪う。通算成績は2550戦655勝18V。SG2V、G1・3V。同期に新田雄史、篠崎元志、下條雄太郎らがいる。

 ◆次走 平本真之、岡崎恭裕の次走は6月4日からの桐生G1赤城雷神杯。山崎智也、瓜生正義、毒島誠、桐生順平らと優勝を争う。重成一人、松井繁の次走は6月2日からの鳴門G1大渦大賞。太田和美、池田浩二、坪井康晴、篠崎元志ら強豪がそろう。峰竜太の次走は6月21日からの蒲郡SGグランドチャンピオン。今村豊、田中信一郎、守田俊介、白井英治らが参戦。服部幸男の次走は6月8日からの浜名湖一般戦。勝野竜司、高沖健太、深谷知博らとVを争う。

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