【天皇賞・春】キタサンブラック“盾男”豊でサブちゃんにG1・2勝目を

[ 2016年4月26日 05:30 ]

菊花賞に続くG1制覇へ清水久師が手応えを示すキタサンブラック

 今週は古馬の長距離王決定戦「第153回天皇賞・春」。昨年の有馬記念を制したゴールドアクター1強ムードが漂う中、それに“待った”をかける1番手が昨年の菊花賞馬キタサンブラックだ。菊花賞V時に陣営を取材した大阪・森本治記者が、その時と同様の感触を感じ取った。

【天皇賞・春】

 厩舎全休日の25日。それもまだ午前6時を過ぎたばかりだというのに、清水久厩舎にトレーナーの姿があった。“キタサンブラックで天皇賞ウイークに全力でぶつかっていく”。そんな師の強い気構えが感じられる朝だった。

 「前走(大阪杯2着)は58キロを背負い、強い相手によく頑張ったと思います。使って良くなりそうな感じはありましたが、できる限りのことはやって出走させましたから」

 指揮官の強気な言葉を耳にして、昨秋の全休日を思い出した。昨年の菊花賞翌日。キタサンブラックの優勝“一夜明け”取材の10月26日朝。あの時、記者はぶしつけながらこう質問したのだ。「今だから聞きますが内心、自信はありましたか?」。この質問に対し師は「ありました。実はめちゃくちゃありました」と答えたのだ。トライアル・セントライト記念を制しながら、母の父がサクラバクシンオーという血統のせいか、5番人気の低評価。だが師はキタサンブラックの長距離適性を見抜いていたのだ。

 だからこそ今回の天皇賞・春にも、大きな信頼を持って臨む。「この馬は本当に真面目に一生懸命走ってくれる。かなりの安定性もある。唯一崩れたのはハイペースのダービー(14着)ぐらい。距離に関しては心配いらないし、どこからでも競馬ができるのが強みです」と出てくるのは前向きなコメントばかり。

 前哨戦に2000メートルの大阪杯を選んだのは、本番に疲れを残さないための配慮。「1週前追いの動きも良かった。思い通りの負荷を掛けることができた。良くなっています」と叩かれた効果は期待以上のようだ。鞍上は大阪杯に続き2戦目の手綱となる武豊。「“盾男”ですからね。天皇賞の勝ち方を知っているジョッキー。日経賞の1、2着馬は強いですが、逆転したい。そのつもりでやっています」と腕をぶす。

 師は「チャレンジャーの分、気持ちは楽ですよ」と笑ったが、内心は有馬記念で先着を許した2頭には“二度と負けない!”という気持ちだろう。来週の“一夜明け”取材はやはりこの馬か?そう思えてきた。

続きを表示

2016年4月26日のニュース