【芦屋・チャレンジC】菊地てっぺん頂く!GP切符へ最大の“ヤマ”

[ 2015年11月24日 05:30 ]

おそろいのTシャツを着る、ネイチャーピーポー(山部)=左から、茅原、新田、菊地、辻、毒島

 SG「第18回チャレンジカップ」は24日、福岡県のボートレース芦屋で開幕する。今年の賞金ランク上位34人が、グランプリ(12月18~23日、住之江)の出場権を懸けて争うシリーズ。昨年は賞金トップに君臨していた菊地孝平(37=静岡)も勝負駆けに挑む。条件は今大会準優勝と厳しいが、山を愛する仲間と大一番に向かうためにも、負けられない戦いが始まる。また、G2「レディースチャレンジカップ」も同時に開幕する。

 崖っ縁で踏みとどまる14年MVPが最終関門に挑む。菊地は昨年、SG5優出2Vの活躍で最優秀選手と最多賞金獲得選手に輝いた。しかし、今年の優勝は一般戦1Vのみ。「期始めにFを切って歯車が狂った」。4~6月にかけては7節連続予選敗退とスランプに陥った。

 7月から復調の兆しを見せるが、10月に入った時点の賞金ランクはチャレンジC出場圏外だった。グランプリ参戦も当然、黄信号。道を切り開くには地元・浜名湖で行われたダービーが勝負だった。優出を逃して追い込まれ、残された道はただ一つ。ダービー最終日の特別選抜B戦で勝つことだけとなった。4号艇。条件は厳しかった。

 だが、土壇場で菊地が執念を見せる。惨敗覚悟の前付けでイン奪取。望みをつなぐ逃げ切り勝ち。首の皮1枚、何とか残した。「ずっと賞金のことは気にしないと公言してきたが(原田)幸哉さんから1着条件と聞いて意識した。まくる足も差す足もなかったので進入から勝負に行こうと思った」。背水の陣をクリア。まずは年末への第一関門を突破した。

 今度はグランプリの出場権、すなわち賞金18位以内を懸けた戦いに挑む。夏場から上昇中のリズムは直前のG12戦でさらにアップ。「今は心身共に充実しているし、けっこうリラックスできている。やれそうな感じがする」。自らの状態に太鼓判を押した。

 菊地にとっては登山仲間が与える影響が大きい。昨年4月、茅原と共に登ったことをきっかけに「山部」を結成。もともと1人で3000メートル級に挑戦していた菊地がキャプテンに就任した。8月にはBS―TBS「日本の名峰・絶景探訪」に茅原と出演。部員は6人まで増加した。そのうち毒島、辻、茅原、新田、そして菊地の5人がチャレンジCに参戦する。「最近は山部からネイチャーピーポー(Nature People)に呼び方を変え、Tシャツも作った。みんなでグランプリに行けたらサイコー」。ボートレース最高峰の舞台で、仲間と頂点を懸けて争う。思い描く夢もますます壮大になっていく。

 グランプリのシード権を持っていた昨年は5合目からの出発だった。だが、今年は1合目にも到達していない。まずはスタートラインに立つ権利を獲りにいく。「登山については譲れない」と語る水上のアルピニスト・菊地。ならば今年最大のヤマ場も登り切ってみせる。

 ≪23日の菊地≫2連対率6位の9号機を引き当てた。ただ、乗り手に恵まれたエンジンだけに、数字ほどの評価はできない。実際、菊地の手応えも中堅レベル。「勝率が高いのはA級ばかり乗っているから。乗った感じは普通だった。でも悪くはない。それに数字はないより、あった方が気分的に良い」。前向きに受け止め、ペラ調整に打ち込んだ。7Rまでに上積みができるか、調整力が試される。

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2015年11月24日のニュース