【秋華賞】クイーン100点2冠仕上げ 肩やトモの筋肉に柔軟性

[ 2015年10月14日 05:30 ]

ミッキークイーン

 高性能ボディーで牝馬2冠獲りだ。今年2月に引退した鈴木康弘元調教師(71)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。3歳牝馬3冠の最終戦「第20回秋華賞」では、オークス馬ミッキークイーンに満点評価を与えた。秋のG1初戦「スプリンターズS」で、ストレイトガールの優勝を見通した達眼が捉えたボディーとは…。

【秋華賞】

 牝馬は体調を尾の付け根に表すといいます。尾の付け根が上に持ち上がっていたり、巻き込んでいたりしていると要注意。フケと呼ばれる発情の可能性があります。大抵、フケを催すのは春先ですが中には秋に発情する馬もいます。秋華賞出走予定馬の馬体をチェックする時もまずは尾の付け根から。立ち姿をざっと見渡したところ、どの馬も自然と尾が下りています。続いて馬体の細部を1頭ずつ見ていくと…。ミッキークイーンの体つきが際立って映ります。

 430キロ前後の小さい馬体ですが、丸みがあって肩やトモ(後肢)の筋肉に柔軟性を感じます。飛節もしっかりしている。乗り役はバネの強さを感じるはずです。牡、牝の違いはありますが、父ディープインパクトの血を十二分に受け継いだ体形と言えるでしょう。全体にとてもバランスが取れていて、ゆったりと走れる。同じ春のクラシックホースでも硬く映るレッツゴードンキとは対照的です。利口そうな目をしていて、乗り役の思い通りに動いてくれるのではないか。腹回りも巻き上がっておらず、減点する部分が一つもありません。器の大きさという点では別記のトーセンビクトリーに及びませんが、現時点では100点満点を付けられます。 (NHK競馬解説者)

 ◆鈴木 康弘 1944年(昭19)4月19日、東京生まれの71歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許を取得し、東京競馬場で開業。78年の開場とともに美浦へ。93~03年には日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなどで27勝。

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