【スプリンターズS】最高においしく見える“人気落ち”リチャード

[ 2015年9月30日 05:30 ]

コパノリチャード

 【G1ドキュメント=29日】主役不在。今年のスプリンターズSはまさしく混沌(こんとん)としている。現時点で1番人気すら読めない。夏場好内容で重賞を連勝したベルカントか。あるいは末脚に磨きをかけたウリウリか。上積みで言えば同厩のストレイトガールが上だろう。ならば俺の出番!!といきり立つオサムは目をギラつかせて朝から穴馬探しに奔走した。

 警戒すべきは実績がありながら不当に評価を下げている馬。コパノリチャードが怪しい。1番人気に推された函館スプリントSで14着に大敗。この一戦で完全に“過去の馬”的扱いを受けている。担当の岡田助手は「今年は10回走れば全部勝ち馬が違うようなメンバー。10回やれば1回ぐらい勝てそうな気がします」と笑顔だった。

 明るい。このコメント、一見弱気のように聞こえるが、状態が良くなければこうは言えない。24日の1週前追い切りが圧巻だった。坂路併走追いで4F50秒2の猛時計!!驚いたのは手綱を取ったM・デムーロ本人で「高松宮記念を勝った時よりいいかも」の不敵なコメントを残している。

 昨春の高松宮記念を思い出してほしい。逃げるエーシントップの好位から直線猛然と抜け出し2着スノードラゴンに3馬身差。その2着馬が同年のスプリンターズSを制したことから測っても能力は屈指。前走の函館スプリントSで1番人気に支持されたのも地力が評価されたものだが、ファンは移り気。一度の大敗で人気は地に落ちた。

 「先週あんなに時計が出るとは思ってなかった。具合は良くなっていると思いますよ。今は朝晩涼しくて助かってます。夏は北海道も暑かったから」

 函館スプリントSの敗因は目に見えない“夏負け”だったのかも。狙い澄ました“ぶっつけ”ローテに加え、鞍上は高松宮記念を制したM・デムーロに戻る。本当に人気はないのだろうか?最高に“おいしく”映るのだが…。

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2015年9月30日のニュース