【オールカマー】ショウナンパンドラ 異次元の剛脚で18年ぶり牝馬V

[ 2015年9月28日 05:30 ]

レースを制したショウナンパンドラ。右は2着ヌーヴォレコルト

 中山の「第61回オールカマー」は3番人気ショウナンパンドラがヌーヴォレコルトを破って昨年秋華賞以来の重賞2勝目。牝馬Vは97年メジロドーベル以来、18年ぶりとなった。

 残り150メートル。多くのファンが内から抜け出したヌーヴォレコルトの勝利を確信した瞬間、外から赤、白一本輪の勝負服を背にしたショウナンパンドラが次元の違う脚で飛んできた。目の覚めるような強襲劇。一瞬でヌーヴォをかわし去り、1馬身半をつけて余裕でVゴールに飛び込んだ。

 池添は右手で力強くガッツポーズ。「ヨッシャー!!」と雄叫びを上げながら検量室前に戻ってきた。「強かった。道中ムキにならずリラックスして追走できたし、馬群の中で前を見たら、手が動いている馬が多かった。外に出して合図を送ったら、凄い脚を使ってくれた」。上がり3Fはメンバー最速の34秒1。父ディープインパクト譲りの破壊力を存分に見せつけた。

 昨年秋華賞以来の復活V。あの時も単勝1・5倍のヌーヴォを撃破しての戴冠だった。春はかみ合わない競馬が続いたが、宝塚記念で3着。牡馬一線級相手に力を見せたが、今回は3番人気に甘んじた。高野師は「今まで展開に恵まれたからと言われてきたが、そうじゃない。これくらい強いんだ、と思ってやってきた。今回強いメンバー相手に結果を出してくれたので、これでようやく虚言じゃないと分かってもらえる」とホッとした表情。「時期が来て総合的に強くなった。ようやく開花してくれた」と続け、4歳秋を迎えての本格化に目を細めた。

 次は予定通り天皇賞・秋(11月1日、東京)へ。引き続き大一番に強い池添とコンビを組む。95年1着ヒシアマゾン、2着アイリッシュダンス以来20年ぶりの牝馬ワンツーは、新たな女傑時代の到来を予感させる。ジェンティルドンナが昨年引退してからポッカリ空いた女傑の座を、パンドラが狙いにいく。

 ◆ショウナンパンドラ 父ディープインパクト 母キューティゴールド(母の父フレンチデピュティ)牝4歳 栗東・高野厩舎所属 馬主・国本哲秀氏 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績14戦4勝 総獲得賞金2億4025万円。

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2015年9月28日のニュース