【尼崎・ヤングダービー】松田祐イン逃げ快勝!冷静トップSで決めた

[ 2015年9月28日 05:30 ]

ヤングダービーを制した松田祐はガールズユニット「Amagami Six」に囲まれ優勝カップを掲げる

 ボートレース尼崎のプレミアムG1「第2回ヤングダービー」は27日、12Rで優勝戦が行われ、1号艇の松田祐季(29=福井)がイン逃げで快勝した。デビュー9年4カ月目でのG1初制覇となった。2着は岡崎恭裕、3着には篠崎元志が入った。

 もうペーパーナイフでも果物ナイフでもない。秋の日差しに鋭く輝く、若きジャックナイフがそこにいた。

 1号艇、G1初優勝が目前。だが松田祐は落ち着いていた。「西日が差してきたので、まぶしかった。スタートだけは緊張した」。注意すべき点が分かっていた。冷静だった。F持ちだが、うまく踏み込んだ。コンマ11、トップS。滑らかに1マークを回り、早々と決着をつけた。「今節は前検から伸びが来ていた。ペラ調整で準優前には出足と乗り心地も上積みできた」。笑顔で振り返った。

 人呼んで「北陸のジャックナイフ」。少しでも触れればサッと切れるような鋭いターン技術からついた愛称だ。「あの子は絶対に来ますよ」。松田祐がデビュー間もない頃、今垣光太郎、中島孝平がそう評したこともある。地元福井が誇るSGウイナーは早くから松田祐の才能を見抜いていた。エンジンが少々出ていなくてもターンで勝負できる男。その天才肌に今節は納得の機力が備わったのだから、無敵モードとなるのも当然だった。

 「一生で1回しか出られない大会で優勝できた。ありがたいこと」。ヤングダービーは今回が初出場だったが、年齢制限ギリギリでラストチャンスでもあった。好機を逃さないあたりも非凡な才能のなせる業。ボートレースの神様に愛される男だ。

 「これでペーパーナイフから果物ナイフになれたかな。これからは今垣さんや中島さんに少しでも追いつけるように頑張りたい。そして、いつか自分で自分をジャックナイフと呼べるようになりたい」。本人は謙遜して、そう語る。なるほど、まだSG覇者への登竜門を制したばかり。真の王者となるべく、松田祐はさらに自らを磨き上げていく。

 ◆松田 祐季(まつだ・ゆうき)1986年(昭61)4月25日、福井県出身の29歳。福井支部所属。06年5月、三国でデビュー。08年9月に三国で初優勝。通算65優出18V。G1は14年浜名湖周年で初優出(6着)。同期98期に平山智加、西村拓也らがいる。1メートル64、51キロ。血液型O。

 ◆次走 優勝した松田祐季、そして西山貴浩の次走は10月3日からの浜名湖一般戦。高浜芳久、山本寛久、永田秀二らと優勝を争う。岡崎恭裕は10月11日からの下関G1競帝王決定戦。今村豊、瓜生正義、池田浩二らが出場。渡辺和将は10月31日からのとこなめ一般戦。吉田弘文、谷野錬志、中田竜太らが参戦。篠崎元志は10月5日からの住之江G1高松宮記念特別。今垣光太郎、松井繁、太田和美らとV争い。宮地元輝は10月1日からの戸田G3企業杯。平石和男、茅原悠紀、桐生順平らが強敵だ。

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