【松戸・オールスター】新田 最終周2角からまくり一気で初制覇!

[ 2015年9月24日 05:30 ]

第58回オールスターで優勝し、ボードを掲げる新田。左は2着の神山。右は3着の稲垣

 「第58回オールスター」の決勝戦が23日、松戸競輪場で行われ、新田祐大(29=福島・90期)がまくって優勝。賞金4410万円(副賞含む)を獲得した。新田のG1優勝(4日制以上)は3月の京王閣ダービー以来2回目。なお、2着は新田マークの神山雄一郎で2車単(7)―(1)800円(1番人気)の決着だった。

 今年の充実ぶりがそのままレースに表れた。残り2周で3番手を確保した新田。最終周2角からまくり、前団を一気にのみ込んだ。まさに完勝でのオールスター初制覇。「ダービーは微差だったので(優勝が)分からなかった。今回はすぐに分かり、うれしかった」。北日本の仲間の手で宙に舞い、喜びに浸った。

 3月の京王閣ダービーで念願のG1初制覇(4日制以上)。その後、明らかに新田の走りは変わった。自信にあふれ、レースを支配し続けた。来年のリオ五輪を目指し、自転車競技と並行する多忙の日々。だが、「体調管理とモチベーションには気を使ってきた」と事もなげに語る。一戦一戦に集中し、オールスターに照準を合わせてきた。

 迎えた決勝戦は強い思いで臨んだ。「オッズで神山さんと人気になっていたし、ワンツーを決めたかった」。冷静に運び、言葉通りに神山との1、2着を決めた。新田は感慨深げにこう語った。「福島は岡部(芳幸)さん、伏見(俊昭)さんらタイトルホルダーの先輩がたくさんいる。自分はその背中を見て勉強してきた。今の自分があるのは先輩、仲間ら多くの方々のおかげ」

 そして11年3月の東日本大震災発生から変わらない気持ちがある。「大変な環境の中でも自分を応援してくれる方々がいる。その方々のためにも“福島の新田祐大”として競輪も自転車競技も頑張り続けたい」。05年7月のデビューから満10年。新田は心技体の充実期を迎えた。ダービーに続くオールスター優勝で今年の日本一へと大きく近づいた。「来年は世界のニッタユウダイになれるように」。高い目標を掲げ、本業と競技の両立を目指す。

 ◆新田 祐大(にった・ゆうだい)1986年(昭61)1月25日、福島県生まれの29歳。会津若松市出身。県立白河高卒。05年7月プロデビュー。通算711戦233勝。通算取得賞金は5億1351万円。主な優勝は第68回日本選手権競輪(15年)、第58回オールスター(15年)。趣味は映画観賞、練習。好物は甘いもの。1メートル73、87キロ。血液型O。

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