【函館記念】ソミュールG1獲り“足固め” 充実6歳が2年前の雪辱

[ 2015年7月14日 05:30 ]

2年前の忘れ物を取りに来たエアソミュール

 今週はサマー2000シリーズ第2戦「第51回函館記念」がゲートイン。5歳時の昨年に鳴尾記念、毎日王冠と重賞を2勝して本格化を果たしたエアソミュールが、3つ目の重賞タイトルを狙って出陣する。6歳を迎えた今年は3戦して未勝利ながら、いずれも強敵相手に差のない競馬の連続。今秋に胸を張って大舞台に向かうためにも、G3のハンデ戦なら主役の座は譲れない。

 2年前の忘れ物を取り戻すべく、エアソミュールが函館競馬場へ戻ってきた。実績上位馬には不利なハンデ戦のG3でも、陣営が意識しているのは勝利のみ。角居厩舎の番頭格・松田助手は「ここでは力上位だと思う」と、口元を引き締めて自信満々に言い放った。

 13年の函館記念は苦い思い出だ。前哨戦の巴賞を快勝して堂々の1番人気で臨んだものの、終始掛かりっ放しで10着。期待を裏切った。続く札幌記念(改修工事のため函館で開催)でも、極端に悪化した重馬場に戦意を喪失して4秒6差の11着という大敗。もろさを露呈してしまった。

 しかし、その後の約4カ月の休養を境にキャラクターが一変。ディセンバーS→白富士Sとオープン特別を連勝して復調を示すと、5歳時の昨年は鳴尾記念、毎日王冠と重賞2勝で一線級の仲間入り。安定感が増した理由を、松田助手は「何といっても気性的な成長が大きい。折り合えれば、しまいは必ず伸びるようになってきた」と分析する。

 6歳を迎えた今年も、AJC杯3着→大阪杯3着→鳴尾記念4着と強敵相手にハイレベルな走りの連続。前走後の調整も順調そのものだ。1日に栗東CWコースで強めの追い切り(5F68秒7~1F11秒7)を行い、8日に函館競馬場へ移動。「こっちではサラッと動かす程度でいい」と松田助手が語る通り、既に馬体はシャープに引き締まり、戦闘モードに入っている。

 これまでに積み重ねてきた勝利数は10。芝に限れば13勝のゴールドシップに次いで現役2位という立派な数字で、足りないのはG1のビッグタイトルだけだ。

 「秋に向けて、足固めをしておきたい。確実に上位を狙えるように調整する」と松田助手。2年前とは別馬のように成長した走りでリベンジを果たすことができれば、G1舞台への視界が大きく開けてくる。

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2015年7月14日のニュース