【有馬記念】ジェンティルドンナ有終Vへ!ディープ&オルフェに続け

[ 2014年12月24日 05:30 ]

坂路で調整したジェンティルドンナ。有終Vへ闘志十分

 有終Vへ、女王・ジェンティルドンナが平常心でラストランに臨む。中央競馬の総決算グランプリ「第59回有馬記念」ではG1馬4頭が引退レースを迎えるが、注目はレース後に引退式を行う6冠牝馬ジェンティルドンナ。馬の力を信じた普段通りの調整で、03年シンボリクリスエス、06年ディープインパクト、13年オルフェーヴルに続く有終Vに挑む。

【有馬記念】

 ジェンティルドンナは午前7時の開門直後に坂路を2本、乱れのない奇麗なフォームで力強く駆け上がった。落ち着きがあり、なおかつ内に秘めた闘志も十分。調教をつけている井上助手は「いつも通り変わらず本当に順調。あと3日、しっかり乗りたい」と表情を引き締めた。

 史上4頭目となる牝馬3冠、史上初のジャパンC連覇、そして牝馬歴代2位タイのG1・6勝――。輝かしい実績を残した名牝がいよいよラストランに臨む。

 3連覇を懸けた前走・ジャパンCは4着。雨の影響が残る緩い馬場に持ち味の加速力と瞬発力をそがれ、得意の東京で初めて連対を外した。勝てばそのまま引退の話もあったが、石坂師はレース直後にオーナーサイドと会談。その場で有馬記念出走を決めた。「きょうで燃焼し尽くしたというなら引退だったが、そうではない」。最後は力を出し切った姿をファンに見せたいとの思いが、陣営を有馬挑戦へと突き動かした。

 17日の1週前追い切りには戸崎が駆け付け、坂路で4F53秒8~1F13秒5。前々走の天皇賞・秋(2着)以来2度目の騎乗となる鞍上は「休み明けだった当時より気合乗りが良かった」と好感触をつかんだ。井上助手も「休み明けより使った方がいいのは確かだし、状態はいい」と状態面に太鼓判を押した。

 初めての中山、古馬になって3戦未勝利の右回り。不安がないわけではない。だが、女王には外野の声を一蹴した実績がある。担当の日迫厩務員は“思い出のレース”にオークスを挙げる。「あの時は出来に自信があった。桜花賞より状態は上だったよ。それだけになんで3番人気なんだって、ちょっと悔しかったね」。距離を疑問視されたオークスは終わってみれば5馬身差の圧勝。女王伝説の幕を開けた。

 レース後には引退式を行うことも決まっている。「最後もこれまでと同じように仕上げるだけ。まずは無事に走ってほしい。その上でいい形で引退式を迎えられれば」と師。いつものジェンティルでいい。そうすればきっとハッピーエンドが待っている。愛馬を信じて有終Vに挑む。

 ◆ジェンティルドンナ 父ディープインパクト 母ドナブリーニ(母の父ベルトリーニ)牝5歳 栗東・石坂厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績18戦9勝 重賞は12年桜花賞、オークス、秋華賞、ジャパンC、13年ジャパンC、14年ドバイシーマクラシックのG1・6勝を含めて8勝。

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2014年12月24日のニュース