【阪神JF】トーセンラーク 栗東滞在で長距離輸送の負担減らし必勝

[ 2014年12月10日 05:30 ]

万全の態勢で2歳女王の座に挑むトーセンラーク

 2歳女王決定戦「第66回阪神JF」は関東馬が熱い。アルテミスS3着の実力馬トーセンラークは“栗東滞在”での挑戦。決戦直前の美浦~阪神の長距離輸送の負担を軽減し、機動力アップを図る。09年優勝アパパネも奏功した早めの栗東入りで、そのアパパネ以来5年ぶりの関東馬Vを目指す。

【阪神JF】

 関東馬トーセンラークは前走・兵庫ジュニアG(3着)後は美浦に戻らず、栗東に直接入厩した。いわゆる「栗東滞在」。レース直前の美浦~阪神の輸送負担を軽減するため、阪神JFや桜花賞ではおなじみ!?の光景だが、結果につながっているから無視できない。

 全休明けの9日、角馬場から坂路で4F69秒5。落ち着いた雰囲気で、力強く駆け上がった。環境にも溶け込んでいる。猪又助手は「移動直後はソワソワする面もあったが、関東馬も近くにいるので今は美浦の時と同じ雰囲気。体も減ってない。せっかくの栗東なので坂路も乗っているけど、逍遥馬道のアップダウンは凄い。1カ月もいれば、かなり鍛えられそう」と目を細めた。同じ「リ―1」の出張厩舎は朝日杯FSの有力馬ブライトエンブレムや藤沢和厩舎の馬も滞在。これなら寂しさとも無縁だ。

 最多6戦のキャリアは魅力的。休養明けの11月アルテミスS(3着)は正攻法3番手で運び、1着ココロノアイとは0秒2差。同助手は「阪神JFを見据え、目いっぱいに仕上げていないのにあの走り。競馬はいつも頑張っちゃう子なんです」と底力を再確認した。前走・兵庫ジュニアGは「スタート直後、前を2度カットされる不利が響いた」(同助手)と敗因がはっきり。初ダートを考えれば、悲観はいらない。

 阪神コース改修後の06年以降、関東馬のVは09年アパパネだけ。ただ、そのアパパネを含め、10年2着ホエールキャプチャ&3着ライステラスなど、栗東滞在で好走した関東馬は多い。初Vを挙げた2戦目の東京未勝利戦(芝1600メートル)を後方追走から、最内を突き抜けた根性も兼備。「最近はゲートも上手になったので前に行けるけど、イメージは2戦目の差し。パワーもあるので阪神の芝は合いそう。多頭数を苦にしない根性もある」と同助手は成長ぶりを評価。所属する菅原厩舎は現2歳馬が9勝(9日現在)と勢いもある。一度も掲示板を外していないラークの“堅実差し”は栗東滞在で輝きを増しそうだ。

続きを表示

2014年12月10日のニュース