ようやくスタートラインへ 船橋・仲野、4年かけて初勝利

[ 2014年6月20日 05:30 ]

仲野騎手

 【地方競馬です!!】念願のデビュー、そして初めての歓喜。同じ夢を抱いた仲間を追いかけ、ようやくスタートラインに立った。18日の船橋3Rで初勝利を挙げた仲野光馬騎手(かづま=24、船橋・川島正)。本来なら、この瞬間は4年前に訪れていたかもしれなかった。

 4年前、仲野は地方競馬教養センターに所属するジョッキーの卵だった。ところが騎手課程卒業まで、あと2カ月というところで退学。競馬場実習中に感じた、理想と現実の違いがストレスになり、体重調整ができなくなった。馬とは関係ない仕事に就いた。だが、どうしても消せない騎手への思い。一念発起し、川島正厩舎の厩務員となった。そして騎手の“一発免許試験”を目指した。

 再び戻った競馬場。元実習生とはいえゼロからのスタート。最初は馬房掃除などに追われ、馬に乗ることもままならない日々。だが、必死にもがいた。厳しさを乗り越えられた陰には、中学の同級生で現在はJRAの騎手である平野優(24=二ノ宮)がいた。「野球少年だった平野を競馬好きにしたのは僕。先に騎手になった彼の存在は大きな支えだった」。もう絶対にめげないと決め、4度目の受験で合格した。

 「南関の厳しさは分かっているが、この4年間で決して腐らないという強い気持ちができた。遠回りしたが自分には必要なことだった」。平野や、かつてセンターで同期だった千田、横川怜と肩を並べ、同じレースに出る。仲野には、そんな新たな夢ができた。 (秋田 麻由子)

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2014年6月20日のニュース