元会社員 経費認められ「大変うれしい」ファンら歓迎、注文も

[ 2014年5月9日 17:54 ]

二審も「外れ馬券は経費」

 二審の大阪高裁も9日、インターネットで購入した膨大な量の外れ馬券を経費に認めた。被告の元会社員は「大変うれしい」。弁護人も判決内容を歓迎したが、課税制度そのものには「国民に分かりやすいルールになっておらず、周知の仕方には問題がある」と注文を付けた。

 検察側の控訴が棄却されると、傍聴席の競馬ファンらが互いに顔を見合わせ喜びをかみしめた。

 中村和洋弁護士は閉廷後の記者会見で「地裁に続いて高裁も納税者側の言い分を認めた。検察側は上告を断念し、この解釈を確定すべきだ」と語気を強めた。「常識的な判断をしてもらった。一日も早く安心して暮らしたい」。電話で聞き取った元会社員のコメントも代読した。

 事件をきっかけに馬券の購入をやめた元会社員。一審判決時までに約7千万円を納税し、今も毎月数万円ずつ支払っているという。

 課税額は、刑事裁判だけでなく、課税処分の取り消しを求めて係争中の民事訴訟で結論が出るまでは確定しない。弁護側は「競馬の売り上げの一部は国庫に納められており、払戻金からあらためて課税する必要性は乏しい」と主張している。

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2014年5月9日のニュース